蒼穹のゼデ

yahimoti

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第42話 調査隊の帰還

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「ははー、ちちー、おかえりー。」
クラリスがゼデを抱えたまま駆け寄って行く。

本来ならゼデも12歳なんだから小さな子供みたいに抱えられるのはおかしいんだけど。

ゼデが小柄な上にクラリスが魔法剣士だけれど見た目はガチガチの戦士のようなので仕方がない。

それでも帰って来た両親にクラリスが甘える様子は小さな子供のようだ。

リットは久しぶりの両親に少し照れている。

「ゼデは大きくなったのね。」

ベレクテアがゼデを抱き上げる。

「おまえ一人前の族長らしい顔付きになっているじゃねえか。」

そう言ってミリスタはリットの頭を撫でる。

長期に渡る調査で戻って来たのはその間僅かで直ぐに慌ただしく出かけていた。

しかし異大陸は見つからなかった。

無数の小さな島が点在しているだけでどこまで行っても大陸などは見つからなかったのだ。

だが島にはドルツリア大陸にはない異質で高度な技術の痕跡があった。

また記述されている文字もドルツリア大陸では使用されていないものだった。

その文字はゼデが入っていたカプセルに書かれていたものと同じ文字だった。

また島は無人島ではなく少数ではあるものの人が住んでいた。

島民の言語がドルツリア大陸とは異なったため翻訳することにも時間がかかってしまったのだ。

「それで、彼に調査の協力は頼めるのか?」

コスタドガル帝国の帝都サデセブ帝城で執政エイドガーは魔法技術師主任デルバートに問いかける。

「話しに乗ってもらえる可能性はあります。」

ただデルバートは余り乗り気ではない。

この世界では成人扱いとはいえまだゼデは子供だ。
長期に渡るであろう調査の為に家族から引き離すはどうなのか?また、家族ぐるみで調査にと言うのもプミタスである彼らに対しては違う様に思う。

確かに帝国としては未知の技術は魅力的ではあるのだが。

「デルバートは乗り気ではないか。彼が異大陸の王であるなら我々はただのコソ泥だろうしな。」

伝承にあったシュルツテルツの王の王威と言う力の片鱗は報告されている。

それを無視しての調査はもう出来ないだろう。

デルバートもハイデガーもそこまで厚顔無恥にはなれない。

なんだか頭の隅を勇者であり賢者でもある恩人ユウトの姿もちらつくし。

「とりあえず彼には相談してみるか?」


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