蒼穹のゼデ

yahimoti

文字の大きさ
上 下
32 / 49

第32話 ギルド長

しおりを挟む


「ふーん、本当にあったんだ。」

ギルド長はエルフのようだ。
尖って長い耳が特長的。

長生きするせいなのか見た目は子供みたいだ。

ラプトの海 ラプザーラのことを言っているのだろうか?

「よく帰って来れたね。ムートがいたのは本当に運が良かった。」

ギルド長は小さいせいかデスクの向こうで顔半分しか見えない。

多分ゼデも似たようなものだろう。

「わしはギルド長のフェスファ。3000年は生きて来たがラプザーラに行って帰って来たものに初めて会った。」

「それならどうしてラプザーラの事を知っているの?」

「伝承はある。会った事がないだけで帰ってきたものはいるし、わかりにくいけどムートがいるしね。」

「あのバハムート?」

「ムートは勇者のペットらしいよ。自分でそう言っているし。」

神龍がペットって?

「ただムートの説明だととてもわかりにくいんだ。」

「ずーっと空の高い所でフワーってなってキラキラで魚や鳥がぐるぐるしているとこ。」

って感じ。

鯨やワイバーンもムートにかかると魚に鳥かー。

「ムートは空陸については知らないかな?」

「なんじゃ?空陸って?」

フェスファが首を傾げる。

3000年生きたエルフでもシュルツテルツの事は知らないのだろうか?

ゼデの養父母のミリスタとアイレスも帝国の研究者と出かけたまま9年を過ぎた。

ただ彼らも多分シュルツテルツの存在は知らない。

あくまでも異大陸としてギラクリラ大陸を探しているのだろう。

またラプザーラについてはドリアゼラクラスの魔導飛機でないとラプトの粉塵の重力干渉から逃れて戻ってくる事は出来ないだろう。

「ドリアゼラクラスの飛機を危険に晒すことは出来ないだろうな。」

ギルド長はそう言って首を振った。

「ムートに手伝ってもらうのは?」

「ムートは勇者に従っているし本来人の言う事を聞かせる存在じゃないんじゃ。」

「いずれにしろラプザーラはザウリリのサンクチュアリ。下手に干渉することはプミタスの死活問題になりかねない。」

事は慎重にと言う事でゼデ達はギルドを後にした。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

処理中です...