蒼穹のゼデ

yahimoti

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第19話 プギデ競技2

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「やってやったわー。」

観戦の為にリットとクラリスが敷いたシートのすぐそばにエルテの家族もいる。

エルテが3本の銛を命中させその内2本は的を突き抜けた事を母親に嬉しそうに話している。

エルテの母親は痩身だけど引き締まった体をした虎人族。
現役の剣聖さまだ。

父親は大賢者様。ひょろりとして温厚そうな猫人族

帝国で1番の賢者様だそうだから見た目ではわからないもんだ。

「ごめんなさいね。この子うるさいでしょう?」

剣聖様がリットに話しかける。

みんなギルドの仲間だから気兼ねがない。

その内どこの家族でも露店で買ってきた物やお弁当を広げるのだけれどいつのまにかみんなが集まってしまって、大宴会になってしまう。

運動会って言うか花見みたいなものだね。

エルテがゼデの横に来る。
「どう?いいでしょう。わたし、やったわ。」

ザウリリのペンダントをゼデに突きつける。

「すごい?ねえ。」

なんだかすごくゼデに懐いて来る。

「あら?ナイクどうしたの。」

ナイクもエルテと同じ高ポイントでザウリリのペンダントをもらっていた。

真っ先にゼデに見せようと走ってきたのだけれどエルテに先を越されてしまった。

ナイクは言い出すことが出来なかった。

「う、ううん。エルテやったねー。」

ところがエルテは状況判断が人並み以上にすぐれているのでそんなことは見逃さない。

「ゼデ、ナイクもよ。ナイクもわたしとおんなじポイントをとったのよ。あんたなかなかやるじゃない。」

そう言ってナイクの背を押してゼデに押しつける。

「えへへー。」

びっくりしたナイクがもう照れてる。

耳がぺったりと前に倒れているし、しっぽもゆらゆらしている。

「今回のチャンピオンはわたし達よ。」

そう言ってエルテはナイクの手を取って両手をあげてみんなにアピールする。

「ふん、エルテはいいやつだな。」

通りがかったマチスがカッコをつけて言う。

周囲の人たちが歓声を上げる。

多分、食べて飲めればなんでもよくなっていると思う。

「ゼデは実践で力を出すタイプなのよ。」

「そうだよー。あのワイバーンの時はすごかったもんね。」

「あの時はカッコよかったよね。」

なんだかゼデそっちのけでエルテとナイクが仲良くなったいる。

通りがかりだったはずのマチスがゼデを見て笑う。

「次は俺もザウリリのペンダントを貰うぞー。」

「マチス惜しかったね。」

「3本目がなー。浅かったなー。」

競技はすでに終わったけれど、みんなが帰るのは明日。

酔っ払い飛行になっちゃうからね。




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