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第18話 プギデ競技1
しおりを挟むプギデは戦闘機の様な仕様だけどあくまで狩りのための機体だ。
両翼と機体の中央下部に一基ずつ合計3基の弩弓が搭載されている。
この弩弓は銛を1本放つと自動装填はできない。
つまりプギデは1機あたり3本の銛を放つと再装填のために母船あるいは地上の補給拠点に戻る必要がある。
ドリアゼラ(母船)1機にプギアゼラ10機。
プギアゼラ1機にプギデ3機が搭載される。
さすがに30本も銛を撃って当たらない事はないだろう。
プギデに乗れる様になっても子供達の日々の通学はセルタを用いる。
いつものように朝になると周辺の島々からプミタスグリのあるトリコピ島に向かって子供達のセルタがひらひらと海鳥の様に飛んでいく。
「今回は絶対わたしがあのザウリリの骨でできたペンダントを貰うわ。」
赤毛でツインテールのエルテが意気込んでいる。
ザウリリの骨の多くはドリアゼラやプギアゼラの機体を作るために消費されるので市場で目にするのは稀だ。
軽くて非常に丈夫なのに一定の条件下では曲げたり、削ったりと加工性がいいのだ。
ザウリリの骨で作ったアクセサリーはプミルとの相性が良くて浮力を向上すると言われている。
何よりプミタスとして自慢出来るし。
競技は簡単で地上に置いた的にプギデから銛を撃って命中率と銛が刺さった深さを競う。
ただ当たっても威力が無いとザウリリやワイバーンの皮膚を貫けないからね。
銛に貫通力を持たせるには上昇して高度をとって急降下して充分に慣性をつけて銛を放つ。
ワイバーンやザウリリなら結構高いところを飛んでいるので急降下して少しばかりタイミングを逃しても地面に激突なんてことはないんだけど、この競技は的が地上にあるから結構緊張する。
早まって銛に充分威力が乗らない事もざらにある。
「あら、ウェルってばもう2本銛を外しちゃった。」
すでに子供達はプギデに乗って上空で待機中なので先の子が銛を放つと続けてすぐに降下を始める。
地上には子供達の家族や島の人達が集まって応援している。
「おーっ。マチスの銛が的を突き抜けたー。」
「これはポイント高いよー。」
「ゼデ、銛を放つの早すぎー。ああーずれたー。」
インカムのナイクの声がやかましい。
結局かろうじて3本の銛を的に当てはしたものの威力が足りなくて貫通することは出来なかった。
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