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第33話 エルフの里1
しおりを挟むエルフの里は大森林の深部にあると言われている。
通常はエルフの結界魔法で隠蔽されていて冒険者など外部の者は見つける事も出来ない。
そして、ここはまだ魔王城とは繋がっていない。
女性らしい二人が決死の覚悟と言った表情で両手を広げてオレ達の行く先を遮っている。
一人は弓を構えている。
「この先は我らの里だ、何の用だ。」
声が震えている。
怖いのだろうか?
「待て、近づくな。」
そう言って自分から槍を突きつけながらも近づいてくる。
「あんた魔人だね。それにスライムにオーガとサキュバス。変な取り合わせ。」
オレ達は彼らに伴われてさらに森の奥のエルフの里に入った。
エルフはある程度育つと老化しない、そしてその寿命は計り知れない。
エルフの里ではぶっとい木のウロが住居として利用されていて木と木の間に縦横に釣り橋が渡されている。
上に上がる時は木の周りに設けられた螺旋状の階段を使い、降りるときは植物の蔓なのかローブなのかわからんものをスルスルとつたって降りてくる。
女性は主に丈の短い貫頭衣の様なものを来ているので見上げるといろいろ見えてしまう。
エルフたちは超長生きで性的なことにはほぼ無関心らしいので気にならないようだ。
「あんた達何しに来たん?」
通りがかりのエルフが話しかけてくる。
エルフにしちゃ珍しい。
エルフは、ほぼ他者に関心がない。
里にいれば、まだ他のエルフがいるが里の外ではほぼ他のエルフに会うことはないし、一度会った人間に2度会うことは殆どない一期一会なんてない。
彼らにしてみれば人間などは寿命が短かすぎてすぐにいなくなっちゃうから記憶にとどめる意味のないものなんだろう。
自ら関わろうとすることはない。
多分オレ達が魔族だってわかったから話しかけてきたんだろう。
「蕎麦を食べに来たんだよ。エルフの里の蕎麦は絶品だって。」
「ああ、人族の里でも有名らしいね。」
年齢はわからない。
見た目は20歳ぐらい。
シンプルな貫頭衣に色々な糸で織った綺麗な帯をしている。
サラサラ の白髪のロングヘア。
人懐っこそうな柔らかな表情をしている。
「まだ私が生まれる前のずっと昔にその当時の勇者が里に自生していた蕎麦を見て作ったらしいわ。」
全然年月の感覚が掴めない。
エルフなんて4-5000年生きているだろうからな。
オレも2万年は生きているからもしかしたらその勇者にはあっていたかも。
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