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第20話 野営用お屋敷
しおりを挟む「これならエリミリアでも治せたはずなのにな。」
「なんであんたがそばにいて私がする必要があるのよ。」
って来てるじゃん。
「だいたいこのイベントはあんた達がエルフの里に行くためのものなんだから私がやっても意味ないでしょう?」
このよくわからない大聖女様はいきなりどこにでも現れる。
神出鬼没だ。
「勇者のレベルは上がっていないのね。まあ時間はたっぷりあるんだからゆっくりやんなさい。」
と言うわけでワーリク侯爵から「碧の貴石」をもらって僕達はエルフの里に行くことにした。
サーフラお嬢様をもらってって言っていたけどそれは丁重にお断りした。
お嬢様をもらっても世話をするのが大変になるだけだし。
それでなくてもパエリがいるのに無理。
別にゲームのクエストをなぞらなくてもって思うんだけど、せっかくこの世界に来たのに勿体無いような気がするんだよ。
ゲームでは何十回もやったことだし「碧の貴石」も実は沢山持っている。
けれどそれは小さなディスプレイでの事だし、自分のキャラクターも他人事の様に眺めていられた。
でも、今は現実、ここが、自分が現実なんだ。
やっぱりワクワクしちゃうだろう?
「ムール、エルフって何?」
「知らないのか?パエリってゲームとかやったことないのか?」
「ぜーんぜーん。勇者だとか魔法だとかぜーんぜーん実感がなかったわ。」
その割にはやっている事は勇者っぽいんだけど、そういう性格なのか?
ようやく飛行魔法に慣れてきたパエリをおんぶして大森林に向かって飛ぶ。
大森林の手前には大草原がある。
沢山の動物や魔物。
それを狩る猟師や冒険者を見下ろしながら飛んで行く。
パエリをおんぶして飛行魔法を使っているのはオレなんだけど、人から見たらパエリに抱っこされて運んでもらっているように見えるんだろうな。
共用の野営地に降りたら冒険者達が声をそろえて言う。
「お姉ちゃん大変だな、小さな弟を連れて旅をしているのかい。」
パエリは何言ってんのこいつらって顔をしてポカンとしている。
オレはと言うとそんな事にはもう慣れたので野営用のハウスをインベントリから出して周囲に結界を張って、ご飯の用意をしてと忙しい。
「なんだ?どっからこんな屋敷が出て来たんだ?。」
「いや、おまえ野営にこれはないんじゃないか?」
「テントとか小屋ぐらいにしておけよ。お屋敷持って歩いてぜんぜん野営の風情がないだろう。」
冒険者が呆れている。
「え?オレキャンプ嫌いだし。虫が出たりしてゆっくり寝てらんないだろ。」
「もうお風呂に入れる?」
パエリ、マイペースだね。
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