14 / 63
第14話 キルハム侯爵
しおりを挟む「盗賊に化けての襲撃は失敗したみたいだ。」
キルハム侯爵の私兵の1人が報告する。
「帝国の兵士だと見破られなければたいした失敗じゃない。また別の手を打てばいい。」
キルハム侯爵は意外と話しのわかるおじさんの様だ。
「そ、それがカルナガリア王国の貴族の馬車を助けたのが勇者だった様で。」
見る見る侯爵の顔色が青くなっていく。
「まずい、まずいって。」
そこに皇帝からの使者が布告書が渡された。
侯爵の顔色は青色にちょっと黒が混ざって大変な状態になってしまった。
「やばい、やばい、どうしよう。」
「それが、盗賊に化けていた私兵達がテスカの街の牢から逃げてワーリク侯爵の公邸に潜入しているそうです。」
「うむ、なかなか有能じゃなって言ってやりたい所じゃがもうダメ、撤収、撤収だー。」
って言っている所にドサドサと盗賊風兵士が転移されて来る。
そこに小さな子供も現れる。
「このおじさん達ここの人でしょう?面倒くさいから返すね。」
そう言ってさっさと消えた。
「なんだ?今の。」
その後帰ってきた兵士達に話しを聞くが全く要領を得ない。
とりあえず死んでしまったり、囚われたのは本物の盗賊達だけで兵士達は1人が頭にコブができているぐらいでみんな無事だった。
どうやらこの件で勇者が何かするつもりはないようだ。
ようやくキルハム侯爵の顔色に赤味がさして来た。
「た、助かった。」
それにしても私のように皇帝に忖度して勝手に動く奴がいなければいいのだが。
キルハム侯爵は本当に帝国の事を心配する憂国の志士だった。
多分。
その頃帝国では......
「グッドアイデアだよ。その手で行こうよアイスス。」
ジュギル子爵は嬉しそうに部下の作戦に乗る事にした。
「それならうまく行きそうだし皇帝も喜んでくれるよ。」
この人たちはみんなで強力するって言う考えは全然ないようだ。
貴族って言う地位を維持するには何か功績が必要だし他の貴族のことまで気にしていられないんだろうな。
執務室で1人ニマニマと薄笑いを浮かべているのもまあまあ気持ちが悪い。
きっと作戦が成功して皇帝に誉められている様子でも妄想しているんだろう。
誰も見ていないんだから放っておいてあげよう。
そこに皇帝からの使者がやって来る。
「ま、ま、まずい。ちょうどみんな出かけちゃったよ。」
「誰か、誰か、誰か止めてー。」
あいにく暗部のものも出払ってしまったらしい。
「ダメじゃー。」
シュギル子爵は絶望した。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる