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第68話●錬金術2
しおりを挟むさすが剣神、ラゴシーナの剣はミスリルの諸刃の剣 柄に魔石を嵌め込むスロットが3つある。
このスロットと付与とは関係はない。
これは電池ボックスみたいなもの。
魔石に魔力を溜め込んで剣に付与した攻撃魔法を使う時に消費する。
魔法師やMPが高い人間にはあってもなくてもおんなじ。
ラゴシーナは十分なMPを持っているのでこのままスペースは付与に使った方がいいかな。
「ラゴシーナ、これ作り変えちゃっていいの?」
レテが言う。
どうして聞こうとしていたことがわかるの?
「私はギドの婚約者なのよ。」
僕にはレテが何をしたいかなんて全然分からないけどな?
「ダンジョンで拾った剣だから思い入れはないわ。買うには高すぎるけどね。」
ラゴシーナの手を握る。
「うふふ。何かしら?急に手なんか握って。」
「あー。なんだー。俺も握った事ないのにー。あーっ、痛い痛い、はなひへー。」
「どの口がしゃーしゃーと嘘をつくのかなー。」
クルクがラゴシーナにほっぺたをぎゅーってされている。
ラゴシーナのグリップとか癖を確認したんだよ。
良くドワーフの鍛冶屋がやるじゃない。
ちょっと真似してみた。
ふーんと言ってギドはミスリルの剣を持ち上げるとその姿がぶれて見えた。
ギドが剣をテーブルの上に置いた時にはもう剣の姿が変わっていた。
「えっ、もう出来たの?」
ラゴシーナが剣をとって鞘から抜く。
鞘自体も薄くて軽い。
だが硬い。
「なにこれ?軽い。だけど振りやすい。振り切った時の伸びもちゃんとある。」
とりあえず普通の剣としてもまあまあの出来。
切れ味も普通にいいはずだよ。
「これってなんで出来ているの?元のミスリルもそうだけどアダマンタイトやオリハルコンってもっと比重が大きかったと思うんだけど。」
ラゴシーナが剣を振っているが空気を切る風切り音もならない。
空気抵抗を感じない。
通常なら風切り音が鳴る程度の空気抵抗は問題にならない。
だけどラゴシーナは剣神だ。
剣速は普通の剣士とは比較にならない。
少しの空気抵抗でも発熱するし動きを阻害する。
「きゃっはー。」
ラゴシーナが調子に乗って剣を振り回している。
剣の動きはぜーんぜーん見えないけど。
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