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第64話●竜人族1

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「ギドってば、また女の子を見てんの?」

レテはギドの視線を追う。

学園の食堂でボーっとお茶を飲んでいるギドは窓際に座っているおでこに角の生えた子を見ている。

体の表面を覆う魔力の流れが人間とは動きも密度も違う。

「女の子の体をじろじろと観察する様に見るなんてぶしつけで変態。」

いや、そうじゃなくて....。

急に竜人族の子が床に手をついて頭を下げる。

ルトラウデがピコを抱えて食堂にやって来た。

「ご始祖様ー。」

ああ、ピコを竜人族の始祖として崇めているのか。

ピコがおうように「がぁ。」とか声を掛けているのがちょっと笑える。

ルトラウデがレテとギドと同じテーブルにつくのを見て角の子もやって来た。

「ご始祖様ー。それからマスター。お願いがー。あるんですー。」

尻上がりのアクセントのある喋り方。

アホっぽいが嫌いではない。
角が生えてていかつそうなのにギャップがあって面白い。

「なんかー。最近ー。里のー。みんながー。元気がなくてー。変なんですー。医者はー。なんともないってー。言うんですー。」

なんか聞いていて疲れた。

ん?竜人族の里ってお漬物が特産品だったんじゃなかったっけ?

漬物があるくらいだから醤油や味噌も........。

異世界転生ものの小説では勇者や転生者が日本食を異世界で食べられる様にするエピソードがあったりする。

まさにそれ、この世界に来た勇者もいろいろやらかしてくれてるみたいだ。

獣人族の里ではうどんや天ぷら。
エルフの里ではそば。
温泉玉子に温泉まんじゅう。
カニ料理に海鮮丼ともうやりたい放題。

だが、よくやってくれた。

白いご飯に生卵とお味噌汁。
そしてお漬物。
最高ーだー。

めっちゃ盛り上がっているギドに竜人族の子がちょっとひいている。

「変なのギドってばこのツノっ子の胸がそんなにいいのかしら?私だってそのうちあのぐらいにはなると思うわ、たぶん。」

なんかレテが変な目で見てくる?

まあいいか。
楽しみだー。
ごはん、ごはん。

行こう!絶対に。

すぐ行こう。

竜人族の里って近いの?
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