魔法大全 最強魔法師は無自覚

第55話●静かな魔法戦1

ロックオンのためのマーキング魔法がギドの目前で魔法陣を形成し始める。

ギドはその魔法がどこから来たのか探索をかけながらマーキング魔法をジャミングする。

マーキングを追いかけるように転移魔法陣を形成しようとしているのを逆手に取ってこちらからバインドの魔法をもぐり込ませる。

慌てて転移魔法陣を閉じようとしているのをこじ開けカエル化魔法を突っ込む。

これでほぼ勝負はついた。

カエル化した相手の魔法師をバインドをたぐり寄せてこちら側に転移させる。

はためにはぼんやりしているギドの前に突然カエルがべそをかいて現れただけにしか見えない。

だけどこいつは転移魔法陣を通してメテオを送り込もうとしていたのだ。

そんなもんが通ったら王都が吹き飛んでしまう。

極悪だ。

しかもこういうやつらは出来るようになった魔法を使ってみたかったとか、オールドマスターに挑戦して見たかったと言う理由でそんなことをするんだ。

ギドにもそういう側面が無いわけでもないが.....。

いつもこんな対応ができるわけではない。
眠っている時や本当にボーっとしている時、それから攻撃の内容が陳腐でつまらない時は自動で対処できる様に防御魔法やトラップを組んで置く。

面白い魔法や極悪なやつには直接対応して楽しむことがある。

魔法は剣を持って直接対峙して戦うわけじゃないのでどうしてもバトルシーンが地味なんだ。

「た、た、助けて。」

カエルが言う。

ギドはカエルの足を掴んでぷらぷらさせる。

「マスターに挑むには、まだ力不足だったわね。パトリシアお姉様がいなくて運が良かった。いたら今ごろ消し炭よ。」

レテがカエルに言う。

ギドがカエルをガラス瓶に入れる。

「それどうするの？」

宮廷魔法師団に持って行く。

本来なら死罪だが魔法師は使いようがあるのでだいたい奴隷化して公共事業や魔物の討伐に使う。

魔法師は希少なので有効に使わないとね。