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第28話●世界樹2
しおりを挟むなんだか里に漂う魔力が落ち着かない様子。
さっきから里のエルフのティルーンっていう子が何か言いたそうなので話しを振る。
「私達の問題だからあなたに言ってもどうかと思って。」
とティルーンは言いにくい様子。
折角来たんだからいいんじゃないのかな?と思っていると
「いいから言いなさいよ別にそばを食べに来たわけじゃないんだから。」
とレテが言う。
「えっ違ったの?」
そうか、わざわざここまでそばを食べに来るようなやつがいるんだな?
なんでもティルーンが言うにはこの半年ぐらい世界樹の葉が落ち続けているそうだ。
植物が弱れば葉は落ちる。
世界樹が弱っていると思うよね普通。
世界樹が弱くなると、守られて来た木々も弱ってしまう。
それは里が失われてしまう事につながる。
木々や森と共に生きてきたエルフにとっては死活問題だろう。
エリクサーなら治るのでは?エルフの里なんだから里にいくらでもあるじゃないかな?それで治せばいいんじゃないか。
「それが治らないのよ。今までどんな怪我や病気でもエリクサーで治して来たからエルフには他の手立てがないわ。でも世界樹はエリクサーでは治せないの。」
「何で世界樹にエリクサーが効かないの?」
世界樹はエリクサーで出来ているからね。
「あれっ?エリクサーって世界樹の葉と賢者の石と月の雫で錬成するんじゃなかったっけ。」
イサンドロが言う。
錬金術師でもないのに良く知っている。
「それで出来ない事はないけど、そんなややこしいことしなくても幹に傷をつければ出て来るのよ。」
「むやみに世界樹に傷をつけたくないから里の一部の者しか知らないけれど。」
「お土産物屋で売っているし。」
とりあえず現場に来てみた。
とてつもなく世界樹はでかい。
これで苗なん?
幹だけでも両端が見えない壁のようで見上げるとかろうじて先が細くなって木だということがわかる。
そして空を覆う枝葉。
これが影をつくって周囲では紫外線に弱い草やキノコなどの菌類が育つ。
この菌類が古くなって倒れた木を分解する。
これを虫の幼虫が食べる。
虫が排泄して草木の養分になる。
こうして多様な生き物が生きていく。
この循環が世界を作っていくのだろうか?
だから世界樹と呼ぶの?
風に揺れる枝葉の間を抜けてくる光がキラキラとひらめく。
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