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第21話●スタンピード2

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「想定外にたっぷり出て来たな。」

ダンジョンの入り口どころかどこから湧いて来たのかわからないぐらいの量の魔物の量。
見渡す限りの魔物。

冒険者達の手に余る量が出てきてしまった。

直近の集落まで間近だしこのままでは魔物の群れに飲み込まれてしまうのは必至だ。

レテが前線から戻ってくる。
魔法使いがあんまり前線にでちゃダメじゃないか。

「ちょっと多すぎるわ。範囲魔法を使うには混戦し過ぎているし。」

直近じゃ無くてその後ろを絶ってしまえば少し余裕が出来ると思うよ。

火や氷はすぐにドロップアイテムが拾えないから雷魔法がいいかな?地形にも影響しないし。

とギドが範囲魔法を展開する。
バリバリと広範囲に落雷が起こり魔物を直撃していく。
侵攻して来る魔物の行列に途切れが出来る。

その途切れに障壁を生成して魔物の流れを村落や街からそらすように誘導する。

なるべく薄く細い行列になるように蛇行させることで冒険者が対処できるようにして、散発的に範囲魔法を使って勢いを削いでゆく。

なぜ一気に片付けないのか?
そんな事したら冒険者の取り分や経験値によるレベルアップの邪魔になっちゃうだろ。

お祭りなんだから。

レテはまた前線に行ってしまう。
意外と好戦的なのかもしれないが、あの位の戦闘力を持っていれば機会があれば使ってみたくなるのも無理は無い。

別に危なげもない。

「お前、使徒を知らんか?」

急にちっちゃい子に話しかけられる。
真っ白な髪に白い肌赤と緑のオッドアイ。
作りものの様に完全に整った顔立ちだが冷たく無表情。

「あー。」

「ふむ、会ったがどこに行ったかはわからないんじゃな?」

まだ何も言っていないのに。

「使徒をしりぞけるとはさすがはオールドマスターじゃのう。」

「じゃが、これはどうじゃ。」

言った直後、間近で魔力が膨れ上がる。
火や氷の様な物質に変換せずに魔力そのもので攻撃して来た。

通常は物質に変換した方が効果がイメージしやすいので攻撃力も高くなるけれどその分タイムラグが出来る。

ギリギリで障壁を張るけれど、障壁ごと吹き飛ばされる。

そして吹き飛ばされたのを追いかけて繰り返し魔力をぶつけてくる。

速くて強い。
障壁を張りながら、上から雷魔法を重ねがけする。

障壁に触れた女の子は帯電してパチパチと光を纏う様になるが平気な様だ。

「多重思考で複合魔法が普通に使える様じゃのう。」

女の子は攻撃の手を止める。

「まあまあ及第じゃの。そうじゃ、わしが『ジュ』じゃ。神である。」

いや何も言っていないけど。

「問題ない、わしはおぬしの心が読める。特別じゃ。また会う事もあるじゃろう。」

なんか少し頬を赤くしてパッと消えた。

ほんの一瞬の出来事だったのに周辺は地面が大きく抉れて地形が変わってしまっている。

レテが飛びついて来る。
人化を解いたピコに乗ったルトラウデも近づいて来た。

「今のは一体何?」

その後冒険者とギド達は3日間かけて分散化したスタンピードの魔物を掃討した。

冒険者はドロップアイテムと経験値によるレベルアップで盛り上がった。

これでレベルアップしたので元々大きすぎた力の差が縮まって対魔王戦も少し可能になってきたと言っていた。
冒険者の中には勇者がいたとか言う噂もある。

勇者の育成の為だったのか?











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