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第5話●入学試験2
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最初は筆記試験。
これはテキストの丸暗記でいいので才能はいらない。
楽勝だ。
300年の間何千回も魔法大全を読み返したから完全に覚えてしまった。
試験時間の半分もかからなかったので試験用紙をさっさと提出してつい残りの時間を眠ってしまった。
レテの声がする。
「なに寝てんのよ、いくらわからないからって寝ることないでしょう。」
机がよだれでベタベタになってしまった。
「次は実技よ。本当に大丈夫なの?」
僕はコクコクとうなづいてレテについていく。
校舎前の広場に丸い的が並べてある。
広場には障壁が張ってあるので魔法が暴発しても大丈夫だそうだ。
まだ10歳の子供達が炎の玉や氷の粒を魔法で作って的にぶつけている。
本当に凄い。
僕なんて指の先に小さな火が灯る様になるのに100年かかったのに。
あれは本当に嬉しかった。
魔法が使えたーって大喜びした。
レテの魔法は小さな氷の粒を飛んでいる間に徐々に剣の形にして的を突き抜いてしまった。
やっぱりレテは天才だ。
まだ誰にも教わった訳でもないのに凄い魔法制御だ。
「ギドの番よ。」
レテは僕を試験の立ち位置まで連れて行く。
凄く不安そうな顔をしている。
自分の試験は終わったんだからそんなに心配しなくてもいいのに。
レテなら絶対首席で通っているし。
「始めなさい。」
試験官が無感情に言う。
受験生はまだたくさんいるしね。
僕は炎の玉を出してそれをぎゅっと圧縮する。
多少玉を強くしないと的は壊せないかもしれないかも。
炎の玉は赤色から次第に白くなって光を増して行く。
試験官が急に慌てだす。
「待って、それは.....」
僕はぴゅーと白い玉を的に向けて飛ばす。
少し離れたところにいた他の試験官達が慌てて的に障壁を張る。
レテが青い顔をして僕の魔法を相殺しようと氷の塊を放つ。
白い玉は的の真ん中に丸い穴を開けて通り抜けて背後の障壁に当たる。
障壁にも丸い穴が開いてその向こう側の物置の様な建物が消し飛んだ。
運良くその向こう側は草原だったのだけどその先の丘の下まで平らな道ができてしまった。
あれ、意外と強力だったんだ。
「あんた、あれ、どうなっているのよ。魔法が使えたの?」
「う、うん、昨日急にね。」
レテはパッと花が咲いた様な明るい顔をしてギドに抱きつくと「良かった。良かった。」と言って涙をポロポロこぼした。
うーむ、可愛い過ぎる。超反則。
これはテキストの丸暗記でいいので才能はいらない。
楽勝だ。
300年の間何千回も魔法大全を読み返したから完全に覚えてしまった。
試験時間の半分もかからなかったので試験用紙をさっさと提出してつい残りの時間を眠ってしまった。
レテの声がする。
「なに寝てんのよ、いくらわからないからって寝ることないでしょう。」
机がよだれでベタベタになってしまった。
「次は実技よ。本当に大丈夫なの?」
僕はコクコクとうなづいてレテについていく。
校舎前の広場に丸い的が並べてある。
広場には障壁が張ってあるので魔法が暴発しても大丈夫だそうだ。
まだ10歳の子供達が炎の玉や氷の粒を魔法で作って的にぶつけている。
本当に凄い。
僕なんて指の先に小さな火が灯る様になるのに100年かかったのに。
あれは本当に嬉しかった。
魔法が使えたーって大喜びした。
レテの魔法は小さな氷の粒を飛んでいる間に徐々に剣の形にして的を突き抜いてしまった。
やっぱりレテは天才だ。
まだ誰にも教わった訳でもないのに凄い魔法制御だ。
「ギドの番よ。」
レテは僕を試験の立ち位置まで連れて行く。
凄く不安そうな顔をしている。
自分の試験は終わったんだからそんなに心配しなくてもいいのに。
レテなら絶対首席で通っているし。
「始めなさい。」
試験官が無感情に言う。
受験生はまだたくさんいるしね。
僕は炎の玉を出してそれをぎゅっと圧縮する。
多少玉を強くしないと的は壊せないかもしれないかも。
炎の玉は赤色から次第に白くなって光を増して行く。
試験官が急に慌てだす。
「待って、それは.....」
僕はぴゅーと白い玉を的に向けて飛ばす。
少し離れたところにいた他の試験官達が慌てて的に障壁を張る。
レテが青い顔をして僕の魔法を相殺しようと氷の塊を放つ。
白い玉は的の真ん中に丸い穴を開けて通り抜けて背後の障壁に当たる。
障壁にも丸い穴が開いてその向こう側の物置の様な建物が消し飛んだ。
運良くその向こう側は草原だったのだけどその先の丘の下まで平らな道ができてしまった。
あれ、意外と強力だったんだ。
「あんた、あれ、どうなっているのよ。魔法が使えたの?」
「う、うん、昨日急にね。」
レテはパッと花が咲いた様な明るい顔をしてギドに抱きつくと「良かった。良かった。」と言って涙をポロポロこぼした。
うーむ、可愛い過ぎる。超反則。
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