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第4話 入学試験1

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コミュ障の僕がどうして学園にいくのか?

実際のところ僕は魔法が大好きだけれどレテ以外の人が魔法を使うところを見たことがない。

学園なら魔法師が集まっているのだからいろいろな魔法を使うところが見られるだろう。

それに沢山の人に紛れてしまえば多少変でも目立たないだろう?

学園の試験会場でもたくさんの人のかたまりのはしっこでグループの1人のふりをしていた....のだけれど。

「ギド。本当に来たのね。」

最悪だ。
一番話しかけられたくない奴に声をかけられた。
僕は知らない振りをしてその場から離れようとしたのだがレテから逃れる事は難しい。

「なに知らんぷりしてんのよ。」

レテが僕のローブのフードを掴んで顔を覗き込んでくる。

やめろー。 
ただでさえ超美人で華々しいお前が近づいて話しかけたら僕まで目立ってしまうだろうが。

「誰?天才魔法師のレテルティア伯爵令嬢に話しかけられているのは。」

「まあまあ、いけているんじゃないあの男の子。」

「小綺麗にはしているけど貴族ではなさそうね。」

「レテルティア様の使用人かしら?」

いつの間にか受験生達に取り囲まれてしまった。

「あなた、どこの家の子なの?」

「名前は?」

「受験するの?」

一斉に話しかけられた。

目が回る。
なんて答えたらいいのか考えていたんだけど全部飛んでいってしまった。
「あー。えー。うー。」
気分が悪くなってきた。
ふらふらする。

「うるさーい。ギドにかまうなー。」

レテがぶち切れた。
ふらふらになっている僕を引っ張って受験生の集団から引き離して椅子に座らせた。

インベントリからコップを取り出して魔法で水を入れて温度調整をして少し冷たくする。
そしてそれを僕に差し出す。

美味しい。なんとか落ち着いた。

レテは全く意識していない様に自然に魔法を使う。

僕が同じように出来るようになるのにはインベントリの中で100年かかった。

才能って言うのは本当に凄い。

「あーあーりーが。」

ありがとうと言いたいんだけどちゃんと言えない。まだレテが相手だから少し言えたぐらい。

「なんで1人で来たのよ。私がいないと話しもできないのに。」

レテさえ話しかけなければ誰とも話しをしないで済んだはずだけど。

目立たずにいられたのに。

「そんな訳ないでしょう。あなたは目立つのよ、かわいいんだから。」

いつもの事だけど、まだ何にも言っていないのに勝手に受け答えされる。
まるで僕の心が読めるみたいだ。

「なに言ってんのよ人の心なんて読めないわよ。あんただけ、特別なのよ。」

勝手に言って、勝手に照れてる。







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