闇の魔法師は暗躍する

yahimoti

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第25話 グローヴズ城

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「ペトロニウスなんか城の住人増えてないか。」

ユウトが話しかけてくる。

ダリオス周辺のダンジョン攻略から帰って来たようだ。

「ああフライレさんとハナコさんか。学校からついて来ちゃったんだ。」

「ここだとご飯も食べられるって居ついちゃったんだ。」

「ここはダンジョンじゃないんだから討伐しちゃダメだよ。」

「フライレさんはいいけどハナコさんはマズイんじゃないか?ここは学校じゃないだろ。」

「大丈夫って言ってたよ。学校しばりじゃなくてトイレしばりみたいだから。」

グローヴズ城が出来たのはだいたい3000年ぐらい前。

自分で言うのも変だけど、その時の僕が作ったらしい。

このネズミ達もその頃使い魔にした。

遠い記憶なのでその時の僕がどこから来たのか、そしてなぜ永い眠りについていたのかも何もわからない。

この世界の転生の記憶って時間感覚もめちゃくちゃだし不条理だ。

でも確かに僕はペトロニウスなんだ。

グローヴズ城はフエツの街からそんなに離れている訳ではない。

空間魔法で敷地を広げて巨大な城を作って結界や隠蔽魔法でわかりにくくしてある。

それでもエリミリアやユウト、ジェノツマルヤぐらいの力があれば簡単にやって来る。

幼い頃はエリミリアと同じくペトロニウスも元は教会の施設にいたのだ。

それ以前については記録も記憶もない。

多分元からその設定がされていない。

ゲーム的にはモブだしね。

学校には行かないし、ネズミを飼うなど皆に迷惑をかけるので施設を出されたのだ。

その時の勢いで作ったのがグローヴズ城だ。

計画性もなく何回も改修や改装を繰り返しているので内部は複雑で難解、一部は迷宮の様になっている。

永い時代を経てその時々の興味の向き様で色々な部屋を作っては放置してある。

調剤室や錬金、鍛治、製鉄炉、陶芸、ガラス加工などいろんな設備がいくつもあり、さらにその資材が大量に放置されている。

地下には大浴場があるし、中庭には池やプールもある。

まあ、あれだ、引きこもりの城だ。

城の中には個室がたくさんあり同じ部屋に行くにもいくつもルートがある。

誰が勝手に住んでいてもわからないぐらいだ。

彷徨うよろいのフライレさんには最高のロケーションだ。

共同トイレ的なものもたくさん設置されているのでハナコさんにも満足してもらえると思う。

ペトロニウスはコミュ症だ。

長時間他人と一緒にいるのは苦手だ。

チェリ達には平気なのに。

だから城には基本的にネズミとゴーレム、趣味で作ったオートマターぐらいしかいない。

ペトロニウスが1人ごとを言う。

「そういえばモフれるやつがいないな。」

そばにいたチェリ達がピクッとする。

3人で顔を見合わせている。



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