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罠
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◆少し前
ここは、帝都内のとある貴族の別邸。
ブラックの従者ベクターの計らいで、うまく帝都内に入りこめたマリンたちは、ベクターが用意した別邸を拠点に皆との合流を予定していた。
マリン「それで?反逆罪ってどういう事なの?」
ベクター「おそらく、私が殿下の指示でサハラ島を脱出した研究者達を、被害者の子供達を救出する際に捕らえた事で、ゲールが反逆罪に仕立て上げたのです」
マデリンが、急にベクターの前に出た。
マリン「マデリン?」
マデリン「貴様、何故黙っていた?!」
ベクター「…………殿下から私事だと、皆には連絡するなと言われておりました」
ベクターは俯いて、手を震わせている。
マデリン「だが!、マリン様?」
マリンが、手を上げてマデリンを制する。
マリン「そういう奴なのよ、あのブラックって。ほんと、水くさいわね」
マデリン「………判りました」
マデリンはそのまま、マリンの後ろに下がる。
ベクターは呼吸を整えてから、衣服を直した。
マリン「それで?皆は今、どの辺かしら?」
ベクター「すでに手配した馬車は、皆様に合流できています。間もなく帝都に入る予定です」
タン「わうっ」
タンが、獣化してマリンの横に座る。
マリン「聞いたでしょ?あと少しで皆、集まるから、皆でリンちゃんを助けましょ」
マリンは、諭す様にタンに言った。
タン「わううっ」
タンは一人でもリンの救出に行きたいが、自分に力が無いことで踏みとどまっている。
だが、これ以上救出を遅らせる事は出来ないだろう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それから半刻、別邸に皆が到着した。
イエル「おいお前!早くリンのところに案内しろ!」
グリン「まて、イエル。まずは彼に状況を聞いてからだ」
レッド「…………………………」
カル「リン!今、助けに行くよ!」
シン「マリン様、お待たせしました」
マリン「良かった、皆、無事ね」
タン「ワウッ」
マデリン「………………」
ベクター「どうぞこちらへ、これから城への侵入ルートを教えます」
◆◆◆
別邸の広間に集まった私達は、早速、ベクターから城への侵入ルートのレクチャーを受ける。
ベクター「まず、城は巨大な結界で常時守られ、城外には近衛騎士団三百人が詰めており正面からの侵入はまず不可能です」
マリン「常時?そんなの無理よ。あの城全部に結界を展開するだけでも、一体何人の魔法使いが必要かわからないわ」
ベクター「城の地下に巨大な魔力貯蔵魔石があり、城内のあらゆる魔法結界、魔法動力として使用されているのです」
グリン「魔石?あの魔獣から時々取れる魔道具に使われているやつだな?でも、そんな大きな魔石なんて聞いた事がないな」
ベクター「設置されたのは、十三年前からです。殿下やリンレイ様が捕らわれているのも、その魔石がある城の地下になります。ですが」
ベクターは、言葉を切って帝都の地図を広げた。
ベクター「その地下への通路はありません。すべて、転移魔法陣を使用いたします」
マリン「転移魔法陣!帝国は転移魔法を作れの?!」
「「「「「「「?!」」」」」」」
ベクター「軍事機密です。皆様だから開示しました」
グリン「帝国、流石だね。そんな物があったら、突然敵国の都市のど真ん中に軍隊を送る事も可能じゃない」
ベクター「まだ、魔力使用量が膨大で城地下の魔石から直接、魔力を供給しないと稼働出来ません。城内と城に隣接する所以外、設置されておりません」
マリン「いいわ、話を先に進めて」
しびれを切らしたマリンの言葉に、ベクターは頷いて地図に指差した。
ベクター「城外に設置された転移魔法陣は三ヵ所、神殿、騎士団詰所、そして秘匿されている皇族避難用です。我々の侵入ルートは、皇族避難用の転移魔法陣になります。そして、その場所はある一般貴族の屋敷に隠してある、ここです」
ベクターが示したのは、城に隣接する貴族街の中の一邸宅。
ベクター「ここは、普段は警備もありません。今ならすぐ侵入出来るかと」
レッド「すぐ行く!」
レッドが立ち上がり、皆がそれに続いた。
マリン「そうね時間は有限、行きましょう!」
◆◆◆
それから数刻、城に隣接する貴族の邸宅の地下に皆が集まっていた。
床には見たことない、巨大な円形の魔法陣が描かれている。
グリン「これが、転移魔法陣?!」
マリン「凄いわね」
ベクター「1度に転移出来るのは、六名までです。先にレッド様、グリン様、イエル様、マリン様、カル様、タン様でお願いいたします」
マデリン「ま、まて?!私はマリン様から離れるわけにはいかない、私も先に」
マリン「控えなさい、マデリン。大丈夫よ、あなたは、後からきなさい」
マデリン「!わ、判りました」
シン「?マリン様、レッド様!」
マリン「シン、行ってくる。リンちゃんを必ず、連れて帰るわ。だから、後はよろしくね」
レッド「行って来る」
魔法陣の中心に六名が入ったのを確認すると、ベクターは部屋に設置されたレバーを押し下げた。
ブーンッ
魔法陣が輝き、一瞬で六名が消えた。
ベクターは、直ぐに隣にあるレバーを引き上げた。
マデリン「貴様?!何をした!」
シン「?!」
ゴゴゴゴゴッ
床にヒビが入り、魔法陣が崩れていく。
ダンッ
マデリンが、ベクターを床に叩きつける。
ベクター「仕方なかった、こうしないと殿下のお命が!」
ベクターは、泣きながら床に伏せる。
シン「ま、まさか!罠?!」
マデリンが、天井を見上げて叫ぶ。
「マリン様ーーっ!!」
ここは、帝都内のとある貴族の別邸。
ブラックの従者ベクターの計らいで、うまく帝都内に入りこめたマリンたちは、ベクターが用意した別邸を拠点に皆との合流を予定していた。
マリン「それで?反逆罪ってどういう事なの?」
ベクター「おそらく、私が殿下の指示でサハラ島を脱出した研究者達を、被害者の子供達を救出する際に捕らえた事で、ゲールが反逆罪に仕立て上げたのです」
マデリンが、急にベクターの前に出た。
マリン「マデリン?」
マデリン「貴様、何故黙っていた?!」
ベクター「…………殿下から私事だと、皆には連絡するなと言われておりました」
ベクターは俯いて、手を震わせている。
マデリン「だが!、マリン様?」
マリンが、手を上げてマデリンを制する。
マリン「そういう奴なのよ、あのブラックって。ほんと、水くさいわね」
マデリン「………判りました」
マデリンはそのまま、マリンの後ろに下がる。
ベクターは呼吸を整えてから、衣服を直した。
マリン「それで?皆は今、どの辺かしら?」
ベクター「すでに手配した馬車は、皆様に合流できています。間もなく帝都に入る予定です」
タン「わうっ」
タンが、獣化してマリンの横に座る。
マリン「聞いたでしょ?あと少しで皆、集まるから、皆でリンちゃんを助けましょ」
マリンは、諭す様にタンに言った。
タン「わううっ」
タンは一人でもリンの救出に行きたいが、自分に力が無いことで踏みとどまっている。
だが、これ以上救出を遅らせる事は出来ないだろう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それから半刻、別邸に皆が到着した。
イエル「おいお前!早くリンのところに案内しろ!」
グリン「まて、イエル。まずは彼に状況を聞いてからだ」
レッド「…………………………」
カル「リン!今、助けに行くよ!」
シン「マリン様、お待たせしました」
マリン「良かった、皆、無事ね」
タン「ワウッ」
マデリン「………………」
ベクター「どうぞこちらへ、これから城への侵入ルートを教えます」
◆◆◆
別邸の広間に集まった私達は、早速、ベクターから城への侵入ルートのレクチャーを受ける。
ベクター「まず、城は巨大な結界で常時守られ、城外には近衛騎士団三百人が詰めており正面からの侵入はまず不可能です」
マリン「常時?そんなの無理よ。あの城全部に結界を展開するだけでも、一体何人の魔法使いが必要かわからないわ」
ベクター「城の地下に巨大な魔力貯蔵魔石があり、城内のあらゆる魔法結界、魔法動力として使用されているのです」
グリン「魔石?あの魔獣から時々取れる魔道具に使われているやつだな?でも、そんな大きな魔石なんて聞いた事がないな」
ベクター「設置されたのは、十三年前からです。殿下やリンレイ様が捕らわれているのも、その魔石がある城の地下になります。ですが」
ベクターは、言葉を切って帝都の地図を広げた。
ベクター「その地下への通路はありません。すべて、転移魔法陣を使用いたします」
マリン「転移魔法陣!帝国は転移魔法を作れの?!」
「「「「「「「?!」」」」」」」
ベクター「軍事機密です。皆様だから開示しました」
グリン「帝国、流石だね。そんな物があったら、突然敵国の都市のど真ん中に軍隊を送る事も可能じゃない」
ベクター「まだ、魔力使用量が膨大で城地下の魔石から直接、魔力を供給しないと稼働出来ません。城内と城に隣接する所以外、設置されておりません」
マリン「いいわ、話を先に進めて」
しびれを切らしたマリンの言葉に、ベクターは頷いて地図に指差した。
ベクター「城外に設置された転移魔法陣は三ヵ所、神殿、騎士団詰所、そして秘匿されている皇族避難用です。我々の侵入ルートは、皇族避難用の転移魔法陣になります。そして、その場所はある一般貴族の屋敷に隠してある、ここです」
ベクターが示したのは、城に隣接する貴族街の中の一邸宅。
ベクター「ここは、普段は警備もありません。今ならすぐ侵入出来るかと」
レッド「すぐ行く!」
レッドが立ち上がり、皆がそれに続いた。
マリン「そうね時間は有限、行きましょう!」
◆◆◆
それから数刻、城に隣接する貴族の邸宅の地下に皆が集まっていた。
床には見たことない、巨大な円形の魔法陣が描かれている。
グリン「これが、転移魔法陣?!」
マリン「凄いわね」
ベクター「1度に転移出来るのは、六名までです。先にレッド様、グリン様、イエル様、マリン様、カル様、タン様でお願いいたします」
マデリン「ま、まて?!私はマリン様から離れるわけにはいかない、私も先に」
マリン「控えなさい、マデリン。大丈夫よ、あなたは、後からきなさい」
マデリン「!わ、判りました」
シン「?マリン様、レッド様!」
マリン「シン、行ってくる。リンちゃんを必ず、連れて帰るわ。だから、後はよろしくね」
レッド「行って来る」
魔法陣の中心に六名が入ったのを確認すると、ベクターは部屋に設置されたレバーを押し下げた。
ブーンッ
魔法陣が輝き、一瞬で六名が消えた。
ベクターは、直ぐに隣にあるレバーを引き上げた。
マデリン「貴様?!何をした!」
シン「?!」
ゴゴゴゴゴッ
床にヒビが入り、魔法陣が崩れていく。
ダンッ
マデリンが、ベクターを床に叩きつける。
ベクター「仕方なかった、こうしないと殿下のお命が!」
ベクターは、泣きながら床に伏せる。
シン「ま、まさか!罠?!」
マデリンが、天井を見上げて叫ぶ。
「マリン様ーーっ!!」
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