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奴隷

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カル「あんた、ピケの町からずっとついて来てただろ?あんたの気配、絶えず感じてた。」


赤髪仮面「…………………………」


タン「仮面ちゃん、だっこ」


「はいはい、タンは甘えん坊だね、ん、かわいいから、おいで?」


タン「わーい」


ミン「タンが、タンが?赤ちゃんになっちゃった?!」


カル むかっ

赤髪仮面 むかっ


タン「仮面ちゃん、柔らかくてあったかい」、ニヤッ


カル むかっ、むかっ

赤髪仮面 むかっ、むかっ


メイサ「なんなの?この状況」


リム 「カオス……」



あれから気を失っていた僕が目覚めると、仮面を着けた赤髪の男とカル君がタンに何か怒鳴っていた。

大人が小さい子どもに怒鳴るって最悪だよ、僕はタンを抱き込んで二人を怒った。

二人は何かを言っていたけど無視して僕が怒ったら、二人は渋々引き下がった。

それ以来、タンがすっかり甘えん坊になったのだ。

僕もタンの耳とシッポが可愛いくてついついなんでもタンに応えたくなる。


ところで赤髪仮面な人、カル君の友達かな、あの時、助けてくれたらしいけど、でも、なんで仮面なんだ?それも、僕の仮面に似てるし、あと、なんか、知っている人みたいな気がする。


ただ、こっちから聞きずらいんだよな、いつも向こうから見られている感じで、なんだか第十三艦隊提督がデレてるみたいだし、ヤバい。


とにかくやるべき優先事項を急ぐ。


メディちゃんを取り戻す。

タン、ミンを家族の元に帰す。


そうそう、ここにきてついにメディちゃんの消息についての情報を見つける事ができた。

あの捕まえた男達、なんとメディちゃんを拐った盗賊達の一味だったのだ。


そして奴らの向かった先は王太子領中央都市ハルージャの隣の都市、港湾都市シアラだ。

そこからとある小島に向かう。


それで今ハルージャに到着し、これからシアラに向かう算段をしていたんだけど?




「……え~と?タンちゃん?」


タン「……………………」


メイサ「はい、タン君はミンちゃんと私でお留守番だから、仮面ちゃんから離れようね?」


タン「……………………!」、ギュッ


う~ん、だいぶ懐いちゃったからな、危険だからここで待っててね、は六歳児にまだ難しい、?あ、ん、え、なん、かタンちゃんの手、あん、が、変、なところ、に?!


「あん、ちょっ、と、タンちゃ、ん、ま」


赤髪仮面、カル「「早く離れろ!このくそガキ!!」」


真っ赤(赤髪仮面は肩や腕)になった二人がタンちゃんを引き剥がそうと伸ばした手を、僕は払う。


「二人とも!だめだよ、子供にそんなふうにしたら!ちょっと離れてて!」


赤髪仮面、カル「「……はい…………」」


まーたく、何でかしらないけど二人はタンちゃんに当たりが強い、六歳児になにをやってるかな、もー。



ミン(タン、わざとでしょ)

タン(ミン、急に念話を使わないで!)

ミン(本当にその人が番なの?)

タン(匂い、胸の高鳴り、間違いない!)

ミン(兄さんはどうするの?)

タン(兄さんは強い、きっと間に合う。この人に何かあれば、ぼくは死ぬ)

ミン(わかった、なんとかしてみる)



ミン「あの、皆さん、わたしたち獣化出来るんです、それならタンをついて行かせていいですか?」


「「「「「獣化???!」」」」」


ミンがタンを見る。

タンが頷き、一瞬で子ども狼になった。


「「「「「!」」」」」


クゥンっ、子狼が首をコテンと傾ける。


僕、メイサ「「ドキューン!」」


「か、可愛い、可愛い、可愛い、連れてく」


メイサ「可愛いすぎ、駄目になる!」


ミン「わたしも変われます」


ミンも一瞬で子狼になった。


僕、メイサ「「この子も可愛いい!」」




カル、リム、赤髪仮面

「「「なんだ?この状況???!」」」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「はい、そうです。島の名前はサハラ島、と呼ばれている、岩だらけの無人島です。ランス王国と公国との交易航路から大きく外れています」


「そこに誘拐された癒し系魔法適性者と誘拐犯がいる、そうね?マデリン」


「はい、定期的にランス王国の港湾都市シアラからギガールの貨物船がでております」


「それはつかえないわね、いいわ、船はお母様にお願いしましょう。あと、魔道レターを皆に」


「はい、それとあの方々は」


「うまく誘導出来る?」


「はい、ではそのように」




マリンは海の方を見た。

春の海はまだ天候が安定しない、出航は日程の選定が必要だ。



「リンちゃん、待ってるわ」

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