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8 諏訪さんの稲荷寿司
8 諏訪さんの稲荷寿司(2)
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「令子さんがギター? なんでいままで黙ってたんですか」
「だって話す機会がなかったんだもん」
おかしそうに笑う唇のはしにケチャップがついている。僕が指で教えると、笑いながら彼女はおしぼりで拭きとった。
「どんな曲やってたんですか?」
「ばりばりのロック。はやりの曲をコピーしたりもした。バンドメンバーの中にプロを目指してる子がいて、私も一時期夢中で取り組んでたんだ」
「じゃあ、令子さんもプロを目指してたんですか?」
彼女はうなずく。
「お恥ずかしながら。働きながら、その子と二人で曲を作ってたよ。休日になると路上でギター弾きながら歌うこともあった。CDに焼いて自分たちで手売りしたりもね。でも芽が出ることはなかった。よくある話だよね」
彼女は頬杖をついて遠い目をした。
「まだバンドは続けてるんですか?」
まさか、と彼女は驚いた顔をした。
「続けてるように見える?」
いや。とてもそんな時間の余裕はないように思える。
「じゃあ、諦めたんですか」
「仕方ないのよ。私、一人になっちゃったから。プロ目指してた子は同棲してた彼氏とできちゃった婚して、バンドを辞めたの。すると、他のメンバーも辞めるって言いだして、そのまま解散。あっけなく終わっちゃった」
その後彼女はしばらく一人で弾き語りの活動をしていた。
「でも、前みたいに楽しくなくなっちゃって。それで音楽はきっぱり諦めて、仕事に打ち込むことにしたの」
「未練はないんですか?」
「ないわね。結婚、出産、離婚で忙しくて未練に浸る暇もなかったし」
令子さんは苦笑いを浮かべ、人差し指でカウンターの小さなくぼみをひっかく。
「まだギターは持ってるんですか?」
「一応ね。でももう何年も弾いてない」
「今度聴きたいな」
彼女は首を横に振って笑った。
「弾き方忘れちゃった」
「少しぐらい覚えてるでしょ?」
「だからって人様に聴かせられるレベルにもうないから」
「僕ならいいじゃないですか」
「恥ずかしいの」
「下手でもいいです。令子さんがギター弾いてるところを見てみたいんです」
令子さんは首を横に振る。
「困らせないでよ。そんなつもりで教えてわけじゃないんだから。流して」
彼女は俯き、カウンターの上で腕組みをした。
「ごめんなさい。でも僕、令子さんのことをもっと知りたいんです。たぶん、好きだから」
数秒ののち、令子さんはゆっくりと顔を上げて僕を見た。
「好きなんです。令子さんのことが」
ただ見つめ合うだけの時間が何秒か続いた。
彼女の目の奥に、喜び、嫌悪の影を探したけれど、なにもない。
ただ純粋な驚きだけがきれいな瞳の奥で揺れていた。
しばらくして、がらりと戸が開く音がした。
「こんばんはー」
入口から入ってきたのは七尾と、見知らぬ若い女性だった。
七尾は僕と令子さんを見て、あ、と小さく声をあげた。
「こんばんは」
「こんばんは。このまえはどうも」
令子さんは感じのいい笑顔で七尾に挨拶すると、腰を上げた。
「ごちそうさま」
お金をカウンターの上に置いて、足早に出ていった。
そんな彼女をじろじろと目で追う七尾。
連れの女性は僕に笑顔で会釈すると、カウンターに腰をおろした。
「こんばんは」
「いらっしゃい」
七尾はやっとこちらに向き直ると、女性の隣に座る。
「いまのなんですか、先輩」
「は?」
「すごい空気じゃなかったですか。まずいとこに来ちゃったかな」
「なに言ってんだ」
令子さんの皿やグラスを下げて洗いはじめる。
「こちらは?」
女性はゆっくりと店内を見ている。こんなところに来たのははじめてだというように。
「藤堂の後輩。まえに話したでしょ」
須賀田君と一緒に入った新人さんか。
「大河理央(おおかわりお)といいます。よろしくお願いします」
「斎藤新です。こちらこそよろしく」
大河さんは白いロングスカートにネイビーの半袖シャツという恰好。黒髪のボブヘアで、目がくりっとして可愛い。
「ほんとにぼろい店でしょ」
屈託なく七尾が言うと、大河さんは苦笑した。
「お前が言うな」
「すみませーん。先輩、餃子食べさせてくださいよ」
はいよ、と言いながら、僕は冷蔵庫から材料を取り出す。
「餃子だけでいいの?」
「まあ、とりあえず」
なんか偉そうに感じるのは気のせいか。
七尾は店の奥を覗く風にする。
「叔父さんは今日いないんですか?」
「いるけど、ちょっと出てる。もうすぐ戻るよ」
七尾は叔父さんのことや、この店のおすすめ料理について、ぺらぺら大河さんに話している。
この子のことが好きなのだろうか。
惚れっぽい七尾のことだから大いにありうる。
この間まで令子さんにご執心のようだったのに。
「これどうぞ」
よく冷やした夏野菜のマリネを出してあげると、大河さんの目が輝いた。
「ありがとうございます!」
早速割り箸をとって一心に食べはじめる。
七尾もマリネに口をつけたが、話をやめる気配はない。
餃子を包み終えて焼きはじめると、やっと叔父さんが戻ってきた。
「お、七尾君いらっしゃい」
「お邪魔してます。どこ行ってたんですか? パチンコ?」
「家だよ」と叔父さんが笑う。
「大丈夫でした?」
僕の言葉に叔父さんは指でOKサインを出す。それから、マリネを食べている大河さんに挨拶した。
繰り返される自己紹介。饒舌な七尾。食べ続ける大河さん。
餃子にお湯を入れて蓋をすると、さっきの令子さんとのやりとりに思いをはせた。
彼女、どう思っただろう。
唐突過ぎたかもしれない。
でも、我慢できなかった。
嫌われてもしかたない。後悔はない。
「ただの同僚ですって」
七尾はやけに高いテンションで否定している。
「本当にただの同僚です。職場恋愛、私はNGなんで」
大河さんがにこやかにそう断言すると、隣にいた七尾の顔から笑顔が消えていった。
焼きあがった大きめの餃子を、やけ食いのように彼はがつがつ食べた。
*
「だって話す機会がなかったんだもん」
おかしそうに笑う唇のはしにケチャップがついている。僕が指で教えると、笑いながら彼女はおしぼりで拭きとった。
「どんな曲やってたんですか?」
「ばりばりのロック。はやりの曲をコピーしたりもした。バンドメンバーの中にプロを目指してる子がいて、私も一時期夢中で取り組んでたんだ」
「じゃあ、令子さんもプロを目指してたんですか?」
彼女はうなずく。
「お恥ずかしながら。働きながら、その子と二人で曲を作ってたよ。休日になると路上でギター弾きながら歌うこともあった。CDに焼いて自分たちで手売りしたりもね。でも芽が出ることはなかった。よくある話だよね」
彼女は頬杖をついて遠い目をした。
「まだバンドは続けてるんですか?」
まさか、と彼女は驚いた顔をした。
「続けてるように見える?」
いや。とてもそんな時間の余裕はないように思える。
「じゃあ、諦めたんですか」
「仕方ないのよ。私、一人になっちゃったから。プロ目指してた子は同棲してた彼氏とできちゃった婚して、バンドを辞めたの。すると、他のメンバーも辞めるって言いだして、そのまま解散。あっけなく終わっちゃった」
その後彼女はしばらく一人で弾き語りの活動をしていた。
「でも、前みたいに楽しくなくなっちゃって。それで音楽はきっぱり諦めて、仕事に打ち込むことにしたの」
「未練はないんですか?」
「ないわね。結婚、出産、離婚で忙しくて未練に浸る暇もなかったし」
令子さんは苦笑いを浮かべ、人差し指でカウンターの小さなくぼみをひっかく。
「まだギターは持ってるんですか?」
「一応ね。でももう何年も弾いてない」
「今度聴きたいな」
彼女は首を横に振って笑った。
「弾き方忘れちゃった」
「少しぐらい覚えてるでしょ?」
「だからって人様に聴かせられるレベルにもうないから」
「僕ならいいじゃないですか」
「恥ずかしいの」
「下手でもいいです。令子さんがギター弾いてるところを見てみたいんです」
令子さんは首を横に振る。
「困らせないでよ。そんなつもりで教えてわけじゃないんだから。流して」
彼女は俯き、カウンターの上で腕組みをした。
「ごめんなさい。でも僕、令子さんのことをもっと知りたいんです。たぶん、好きだから」
数秒ののち、令子さんはゆっくりと顔を上げて僕を見た。
「好きなんです。令子さんのことが」
ただ見つめ合うだけの時間が何秒か続いた。
彼女の目の奥に、喜び、嫌悪の影を探したけれど、なにもない。
ただ純粋な驚きだけがきれいな瞳の奥で揺れていた。
しばらくして、がらりと戸が開く音がした。
「こんばんはー」
入口から入ってきたのは七尾と、見知らぬ若い女性だった。
七尾は僕と令子さんを見て、あ、と小さく声をあげた。
「こんばんは」
「こんばんは。このまえはどうも」
令子さんは感じのいい笑顔で七尾に挨拶すると、腰を上げた。
「ごちそうさま」
お金をカウンターの上に置いて、足早に出ていった。
そんな彼女をじろじろと目で追う七尾。
連れの女性は僕に笑顔で会釈すると、カウンターに腰をおろした。
「こんばんは」
「いらっしゃい」
七尾はやっとこちらに向き直ると、女性の隣に座る。
「いまのなんですか、先輩」
「は?」
「すごい空気じゃなかったですか。まずいとこに来ちゃったかな」
「なに言ってんだ」
令子さんの皿やグラスを下げて洗いはじめる。
「こちらは?」
女性はゆっくりと店内を見ている。こんなところに来たのははじめてだというように。
「藤堂の後輩。まえに話したでしょ」
須賀田君と一緒に入った新人さんか。
「大河理央(おおかわりお)といいます。よろしくお願いします」
「斎藤新です。こちらこそよろしく」
大河さんは白いロングスカートにネイビーの半袖シャツという恰好。黒髪のボブヘアで、目がくりっとして可愛い。
「ほんとにぼろい店でしょ」
屈託なく七尾が言うと、大河さんは苦笑した。
「お前が言うな」
「すみませーん。先輩、餃子食べさせてくださいよ」
はいよ、と言いながら、僕は冷蔵庫から材料を取り出す。
「餃子だけでいいの?」
「まあ、とりあえず」
なんか偉そうに感じるのは気のせいか。
七尾は店の奥を覗く風にする。
「叔父さんは今日いないんですか?」
「いるけど、ちょっと出てる。もうすぐ戻るよ」
七尾は叔父さんのことや、この店のおすすめ料理について、ぺらぺら大河さんに話している。
この子のことが好きなのだろうか。
惚れっぽい七尾のことだから大いにありうる。
この間まで令子さんにご執心のようだったのに。
「これどうぞ」
よく冷やした夏野菜のマリネを出してあげると、大河さんの目が輝いた。
「ありがとうございます!」
早速割り箸をとって一心に食べはじめる。
七尾もマリネに口をつけたが、話をやめる気配はない。
餃子を包み終えて焼きはじめると、やっと叔父さんが戻ってきた。
「お、七尾君いらっしゃい」
「お邪魔してます。どこ行ってたんですか? パチンコ?」
「家だよ」と叔父さんが笑う。
「大丈夫でした?」
僕の言葉に叔父さんは指でOKサインを出す。それから、マリネを食べている大河さんに挨拶した。
繰り返される自己紹介。饒舌な七尾。食べ続ける大河さん。
餃子にお湯を入れて蓋をすると、さっきの令子さんとのやりとりに思いをはせた。
彼女、どう思っただろう。
唐突過ぎたかもしれない。
でも、我慢できなかった。
嫌われてもしかたない。後悔はない。
「ただの同僚ですって」
七尾はやけに高いテンションで否定している。
「本当にただの同僚です。職場恋愛、私はNGなんで」
大河さんがにこやかにそう断言すると、隣にいた七尾の顔から笑顔が消えていった。
焼きあがった大きめの餃子を、やけ食いのように彼はがつがつ食べた。
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