15 / 42
4 七尾のオムライス
4 七尾のオムライス(2)
しおりを挟む
「先輩も一緒に行けたらいいな、なんて」
「彼女か奥さんと行ったらいいよ」
「それですよね~。あ~、早く彼女作んないと」
「だな」
ふふふ~ん、と鼻歌を歌いながら七尾はメニューを吟味しはじめる。
「先輩はなににします? せっかくだから、マロンケーキ食べましょうよ。そんなに大きくないからいけますって」
「言っただろ。僕はアイスコーヒーでいい」
「後悔しません? じゃあ僕の少しあげますからね」
注文をすませると、ほっとしたように七尾は水を飲んだ。
「ラーメンのあとって、やっぱり喉乾きますね」
「スープ全部飲み干すからだろうが。塩分がやばいぞ」
「だって、ラーメン屋さんはスープ作りにすごく労力使ってるでしょ? 残すのなんてもったいない」
「ケーキなんか食べたらもっと喉乾くぞ」
「それは違う喉の渇き方だからいいんです」
「なんだそれ」
テラス席にも慣れてきた。通りがかりの知らない人にじろじろ見られたってかまうもんか。
「それで、店の方は変わらず?」
僕がいなくなったあと、藤堂がどうなっているのか、やはり少しは気になっていた。
こんな自分でも一人抜ければ、いろいろ困ることもあるだろう。
あと、七尾は僕と仲が良かったから、僕がいなくなったあと冷遇されていないかも心配だった。
「ええ、変わらずですよ。でも最近、新人が二人入ったんです。僕と同い年なんで仲良くやってます」
「そうなんだ。よかったな」
それを聞いて少し安心した。七尾の表情も嘘を言っているようには見えない。
男女の新人で二人とも筋がいいらしい。どうやら戦力として採用されたようだ。
「たぶん、先輩の穴埋めに入ったんじゃないですかね。先輩のあとは二人必要だったということですよ」
なんとも言えないので僕は黙っていた。
やがてアイスコーヒーが運ばれてきた。
喉が渇いていたこともあり、僕らは水のようにごくごく飲んだ。最初に運ばれてきた水はもう空だ。
ここのウェイターは忙しいのか、水を注ぎ足しになかなかこない。
藤堂だったら客がうんざりするほど頻繁に水が注がれるのだが。
「実は先輩、ひとつだけ困ってることがあるんです」
七尾は少しだけ表情をくもらせた。
僕も少し身構える。
「どうした」
「信濃(しなの)さんのことなんですけど、先輩のことをよく訊かれるんです。いまでも連絡を取ってるのかって」
信濃学(まなぶ)は三十五歳の藤堂の料理人だ。
腕はいいがプライドも高く、上には絶対服従で下には高圧的にふるまう僕が苦手としているタイプだ。
僕に敵意を向けてきた先輩連中の中心的な人物でもある。
「それで?」
「連絡とってないですって答えたんですけど、それでよかったですかね? 今度訊かれたらどう答えたらいいですか」
信濃学。
いまさら僕になんの用があるんだか。
もう辞めたのに、まだ文句があるのか。
僕は小さく息を吐いた。
「好きに答えたらいいよ」
「というと?」
「連絡とってるって言えばいいよ。嘘は苦手だろ?」
七尾は不安そうに顔をしかめた。
「そうしたら、あれこれ訊かれると思うんです。僕、信濃さんのことあんまり好きじゃないし、先輩の不利になることはしたくないんです」
自分が辞めればすべてがおさまると単純に考えていた。
辞めてもなお、こんなことで頭を悩ますことになるなんて。
陽太さんが気にしていた、誰かが僕の再就職を邪魔している、というのに、信濃学は関係してるんだろうか。
そんな力が彼にあるだろうか?
いくら狭い業界だと言っても、一介の料理人があらゆる飲食店に手をまわすことなんて不可能だ。
ウェイターがやっと来て水を継ぎ足してくれた。
冷たい水をたっぷり飲むと、少しだけ冷静になれた。
「別に話されて困ることはないから安心していいよ。もし今後、嫌がらせでもされたら、そのときはこっちで対処する。七尾はなんにも心配しなくていいから」
「でもなんか、嫌なんですよ、僕が。僕、信濃さんのことほんとに嫌いだし」
言っちゃった、という顔をしながらも、少し怒った風に七尾は口をよじまげる。
「信濃さんたちが嫌がらせみたいなことしなきゃ、先輩は辞めなくてすんだのに。理不尽過ぎますよ。許せません」
「七尾。僕の二の舞はするなよ? 職場の人間関係を大切にしないと、僕みたいなことになるのは今回のことでよくわかっただろ。僕はもう辞めたんだよ。僕の意志で。だから、僕のかわりになって誰かを憎んだりするのはやめろ。意味ないから」
「わかってますけど、わからない」
七尾は意外と頑固だ。純粋なだけに。
「とにかく、七尾はなにもしなくていい。訊かれたら正直に答えたらいい。僕は話されて困ることはなにもない。これでいいか?」
「いえ、僕は話さないことにします。嘘は苦手だけど、これは話が別です。信濃さんにはなにも教えませんから」
「七尾の好きにしたらいいよ」
七尾はいっちょまえに難しい顔をしていたが、マロンケーキが運ばれてくると子供みたいにわかりやすく顔を輝かせた。早速スマホで写真をとりはじめる。
マロンケーキは思ったよりかなり大きかった。
細いマロンクリームが山ほどかかっている。かなり甘そうだ。
「食べれるのか、それ全部」
「楽勝ですけど、先輩にもあげますから、心配しないでください」
「じゃあ一口くれ」
マロンクリームを一匙もらう。
口当たりはいいが、想像以上に甘い。栗感もしっかりある。ふんだんに栗を使っているんだろう。
「おいしいけど、ラーメンのあとは重いな」
待ちきれないように七尾は僕からフォークを奪うと、ケーキを山盛りすくって口に入れた。
「わっ。すっごく栗。おいしぃ~。来てよかったぁ~」
満面の笑みでぱくぱく食べている七尾を見たら、ラーメンよりこっちが本命なのではないかと思えた。胃は苦しくないんだろうか。
「さっきの話だけど、気になる子とは付き合えそうなの?」
七尾は幸せそうな顔のままうなずく。
「このまえ、告白したんですよ。返事はまだですけどね」
「へえ、頑張ってるじゃない。次のデートはいつ?」
「僕の次の休みの日に約束してます」
「じゃあそのときに返事が聞けるわけだ」
「どうでしょう? 前に会ったときは、まだ考え中って言ってましたから」
考え中。
「返事って、どのぐらい待ってるの?」
「一ヶ月ぐらいですかね」
「……長すぎないか?」
「うーん……でも相手は、本当に好きになってから付き合いたいらしくて。とっても真面目な子んです」
「そうか……相手は働いてる人?」
七尾は僕の二つ年下の二十三歳だ。
「まだ大学生です」
「じゃあ、デート代はいつも七尾が持ってるのか」
「そりゃまあ。相手もアルバイトはしてるみたいですけど」
「また貢いでないだろうな」
「え? なんですか急に」
以前、七尾はアプリで知り合った女性に高額なブランドものを買わされている。
高額な食事をごちそうさせられたり、旅行代金をすべて負担させられたりしたこともある。もちろん部屋は別で。
「大金をその子に使ってないだろうな」
「そんなには……」
「使うなよ。本気な子は、お前にたくさんお金を使わせたりしないから」
七尾は食べるのをやめて、少し悲しそうな顔をした。
「それは前にも聞いたんでわかってるつもりです……」
でも、その浮かない表情は、思い当たることがあるのだろう。
かわいそうに。
七尾が悪いわけじゃない。
このままでは、せっかく楽しみにしていたマロンケーキの味にも響く。
「そうだったな。悪かった。うちの店のことだけど、ほんとにいつでも来ていいからな。好きなもの作ってやる」
単純な七尾はすぐに明るい表情に戻った。
「好きなもの、なんでもですか? じゃあタンシチュー」
「居酒屋メニューの中から選んでくれるか」
「あ、そうでしたね……じゃあ餃子」
七尾は餃子が大好物なのだ。
「いいよ、しこたま餃子食わせてやる」
「やったぁ。僕、すぐ行きますからね、本当に」
わかってるよ、と僕は笑った。
*
「彼女か奥さんと行ったらいいよ」
「それですよね~。あ~、早く彼女作んないと」
「だな」
ふふふ~ん、と鼻歌を歌いながら七尾はメニューを吟味しはじめる。
「先輩はなににします? せっかくだから、マロンケーキ食べましょうよ。そんなに大きくないからいけますって」
「言っただろ。僕はアイスコーヒーでいい」
「後悔しません? じゃあ僕の少しあげますからね」
注文をすませると、ほっとしたように七尾は水を飲んだ。
「ラーメンのあとって、やっぱり喉乾きますね」
「スープ全部飲み干すからだろうが。塩分がやばいぞ」
「だって、ラーメン屋さんはスープ作りにすごく労力使ってるでしょ? 残すのなんてもったいない」
「ケーキなんか食べたらもっと喉乾くぞ」
「それは違う喉の渇き方だからいいんです」
「なんだそれ」
テラス席にも慣れてきた。通りがかりの知らない人にじろじろ見られたってかまうもんか。
「それで、店の方は変わらず?」
僕がいなくなったあと、藤堂がどうなっているのか、やはり少しは気になっていた。
こんな自分でも一人抜ければ、いろいろ困ることもあるだろう。
あと、七尾は僕と仲が良かったから、僕がいなくなったあと冷遇されていないかも心配だった。
「ええ、変わらずですよ。でも最近、新人が二人入ったんです。僕と同い年なんで仲良くやってます」
「そうなんだ。よかったな」
それを聞いて少し安心した。七尾の表情も嘘を言っているようには見えない。
男女の新人で二人とも筋がいいらしい。どうやら戦力として採用されたようだ。
「たぶん、先輩の穴埋めに入ったんじゃないですかね。先輩のあとは二人必要だったということですよ」
なんとも言えないので僕は黙っていた。
やがてアイスコーヒーが運ばれてきた。
喉が渇いていたこともあり、僕らは水のようにごくごく飲んだ。最初に運ばれてきた水はもう空だ。
ここのウェイターは忙しいのか、水を注ぎ足しになかなかこない。
藤堂だったら客がうんざりするほど頻繁に水が注がれるのだが。
「実は先輩、ひとつだけ困ってることがあるんです」
七尾は少しだけ表情をくもらせた。
僕も少し身構える。
「どうした」
「信濃(しなの)さんのことなんですけど、先輩のことをよく訊かれるんです。いまでも連絡を取ってるのかって」
信濃学(まなぶ)は三十五歳の藤堂の料理人だ。
腕はいいがプライドも高く、上には絶対服従で下には高圧的にふるまう僕が苦手としているタイプだ。
僕に敵意を向けてきた先輩連中の中心的な人物でもある。
「それで?」
「連絡とってないですって答えたんですけど、それでよかったですかね? 今度訊かれたらどう答えたらいいですか」
信濃学。
いまさら僕になんの用があるんだか。
もう辞めたのに、まだ文句があるのか。
僕は小さく息を吐いた。
「好きに答えたらいいよ」
「というと?」
「連絡とってるって言えばいいよ。嘘は苦手だろ?」
七尾は不安そうに顔をしかめた。
「そうしたら、あれこれ訊かれると思うんです。僕、信濃さんのことあんまり好きじゃないし、先輩の不利になることはしたくないんです」
自分が辞めればすべてがおさまると単純に考えていた。
辞めてもなお、こんなことで頭を悩ますことになるなんて。
陽太さんが気にしていた、誰かが僕の再就職を邪魔している、というのに、信濃学は関係してるんだろうか。
そんな力が彼にあるだろうか?
いくら狭い業界だと言っても、一介の料理人があらゆる飲食店に手をまわすことなんて不可能だ。
ウェイターがやっと来て水を継ぎ足してくれた。
冷たい水をたっぷり飲むと、少しだけ冷静になれた。
「別に話されて困ることはないから安心していいよ。もし今後、嫌がらせでもされたら、そのときはこっちで対処する。七尾はなんにも心配しなくていいから」
「でもなんか、嫌なんですよ、僕が。僕、信濃さんのことほんとに嫌いだし」
言っちゃった、という顔をしながらも、少し怒った風に七尾は口をよじまげる。
「信濃さんたちが嫌がらせみたいなことしなきゃ、先輩は辞めなくてすんだのに。理不尽過ぎますよ。許せません」
「七尾。僕の二の舞はするなよ? 職場の人間関係を大切にしないと、僕みたいなことになるのは今回のことでよくわかっただろ。僕はもう辞めたんだよ。僕の意志で。だから、僕のかわりになって誰かを憎んだりするのはやめろ。意味ないから」
「わかってますけど、わからない」
七尾は意外と頑固だ。純粋なだけに。
「とにかく、七尾はなにもしなくていい。訊かれたら正直に答えたらいい。僕は話されて困ることはなにもない。これでいいか?」
「いえ、僕は話さないことにします。嘘は苦手だけど、これは話が別です。信濃さんにはなにも教えませんから」
「七尾の好きにしたらいいよ」
七尾はいっちょまえに難しい顔をしていたが、マロンケーキが運ばれてくると子供みたいにわかりやすく顔を輝かせた。早速スマホで写真をとりはじめる。
マロンケーキは思ったよりかなり大きかった。
細いマロンクリームが山ほどかかっている。かなり甘そうだ。
「食べれるのか、それ全部」
「楽勝ですけど、先輩にもあげますから、心配しないでください」
「じゃあ一口くれ」
マロンクリームを一匙もらう。
口当たりはいいが、想像以上に甘い。栗感もしっかりある。ふんだんに栗を使っているんだろう。
「おいしいけど、ラーメンのあとは重いな」
待ちきれないように七尾は僕からフォークを奪うと、ケーキを山盛りすくって口に入れた。
「わっ。すっごく栗。おいしぃ~。来てよかったぁ~」
満面の笑みでぱくぱく食べている七尾を見たら、ラーメンよりこっちが本命なのではないかと思えた。胃は苦しくないんだろうか。
「さっきの話だけど、気になる子とは付き合えそうなの?」
七尾は幸せそうな顔のままうなずく。
「このまえ、告白したんですよ。返事はまだですけどね」
「へえ、頑張ってるじゃない。次のデートはいつ?」
「僕の次の休みの日に約束してます」
「じゃあそのときに返事が聞けるわけだ」
「どうでしょう? 前に会ったときは、まだ考え中って言ってましたから」
考え中。
「返事って、どのぐらい待ってるの?」
「一ヶ月ぐらいですかね」
「……長すぎないか?」
「うーん……でも相手は、本当に好きになってから付き合いたいらしくて。とっても真面目な子んです」
「そうか……相手は働いてる人?」
七尾は僕の二つ年下の二十三歳だ。
「まだ大学生です」
「じゃあ、デート代はいつも七尾が持ってるのか」
「そりゃまあ。相手もアルバイトはしてるみたいですけど」
「また貢いでないだろうな」
「え? なんですか急に」
以前、七尾はアプリで知り合った女性に高額なブランドものを買わされている。
高額な食事をごちそうさせられたり、旅行代金をすべて負担させられたりしたこともある。もちろん部屋は別で。
「大金をその子に使ってないだろうな」
「そんなには……」
「使うなよ。本気な子は、お前にたくさんお金を使わせたりしないから」
七尾は食べるのをやめて、少し悲しそうな顔をした。
「それは前にも聞いたんでわかってるつもりです……」
でも、その浮かない表情は、思い当たることがあるのだろう。
かわいそうに。
七尾が悪いわけじゃない。
このままでは、せっかく楽しみにしていたマロンケーキの味にも響く。
「そうだったな。悪かった。うちの店のことだけど、ほんとにいつでも来ていいからな。好きなもの作ってやる」
単純な七尾はすぐに明るい表情に戻った。
「好きなもの、なんでもですか? じゃあタンシチュー」
「居酒屋メニューの中から選んでくれるか」
「あ、そうでしたね……じゃあ餃子」
七尾は餃子が大好物なのだ。
「いいよ、しこたま餃子食わせてやる」
「やったぁ。僕、すぐ行きますからね、本当に」
わかってるよ、と僕は笑った。
*
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
希望が丘駅前商店街 in 『居酒屋とうてつ』とその周辺の人々
饕餮
ライト文芸
ここは東京郊外松平市にある商店街。
国会議員の重光幸太郎先生の地元である。
そんな商店街にある、『居酒屋とうてつ』やその周辺で繰り広げられる、一話完結型の面白おかしな商店街住人たちのひとこまです。
★このお話は、鏡野ゆう様のお話
『政治家の嫁は秘書様』https://www.alphapolis.co.jp/novel/210140744/354151981
に出てくる重光先生の地元の商店街のお話です。当然の事ながら、鏡野ゆう様には許可をいただいております。他の住人に関してもそれぞれ許可をいただいてから書いています。
★他にコラボしている作品
・『桃と料理人』http://ncode.syosetu.com/n9554cb/
・『青いヤツと特別国家公務員 - 希望が丘駅前商店街 -』http://ncode.syosetu.com/n5361cb/
・『希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271
・『希望が丘駅前商店街 ―姉さん。篠宮酒店は、今日も平常運転です。―』https://www.alphapolis.co.jp/novel/172101828/491152376
・『日々是好日、希望が丘駅前商店街-神神飯店エソ、オソオセヨ(にいらっしゃいませ)』https://www.alphapolis.co.jp/novel/177101198/505152232
・『希望が丘駅前商店街~看板娘は招き猫?喫茶トムトム元気に開店中~』https://ncode.syosetu.com/n7423cb/
・『Blue Mallowへようこそ~希望が丘駅前商店街』https://ncode.syosetu.com/n2519cc/
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
伊緒さんのお嫁ご飯
三條すずしろ
ライト文芸
貴女がいるから、まっすぐ家に帰ります――。
伊緒さんが作ってくれる、おいしい「お嫁ご飯」が楽しみな僕。
子供のころから憧れていた小さな幸せに、ほっと心が癒されていきます。
ちょっぴり歴女な伊緒さんの、とっても温かい料理のお話。
「第1回ライト文芸大賞」大賞候補作品。
「エブリスタ」「カクヨム」「すずしろブログ」にも掲載中です!
君の好きなもの
秋谷イル
ライト文芸
小説家の月見には弟子がいる。数年前から暮らしているアパートの大家の息子・文一。彼は十四歳の不登校児。将来は月見のような小説家になりたいらしい。家賃の割引と引き替えに弟子に取ったこの少年を、月見は今日も渋々迎え入れる。
あかりの燈るハロー【完結】
虹乃ノラン
ライト文芸
――その観覧車が彩りゆたかにライトアップされるころ、あたしの心は眠ったまま。迷って迷って……、そしてあたしは茜色の空をみつけた。
六年生になる茜(あかね)は、五歳で母を亡くし吃音となった。思い出の早口言葉を歌い今日もひとり図書室へ向かう。特別な目で見られ、友達なんていない――吃音を母への愛の証と捉える茜は治療にも前向きになれないでいた。
ある日『ハローワールド』という件名のメールがパソコンに届く。差出人は朱里(あかり)。件名は謎のままだが二人はすぐに仲良くなった。話すことへの抵抗、思いを伝える怖さ――友だちとの付き合い方に悩みながらも、「もし、あたしが朱里だったら……」と少しずつ自分を見つめなおし、悩みながらも朱里に対する信頼を深めていく。
『ハローワールド』の謎、朱里にたずねるハローワールドはいつだって同じ。『そこはここよりもずっと離れた場所で、ものすごく近くにある場所。行きたくても行けない場所で、いつの間にかたどり着いてる場所』
そんななか、茜は父の部屋で一冊の絵本を見つける……。
誰の心にも燈る光と影――今日も頑張っているあなたへ贈る、心温まるやさしいストーリー。
―――――《目次》――――――
◆第一部
一章 バイバイ、お母さん。ハロー、ハンデ。
二章 ハローワールドの住人
三章 吃音という証明
◆第二部
四章 最高の友だち
五章 うるさい! うるさい! うるさい!
六章 レインボー薬局
◆第三部
七章 はーい! せんせー。
八章 イフ・アカリ
九章 ハウマッチ 木、木、木……。
◆第四部
十章 未来永劫チクワ
十一章 あたしがやりました。
十二章 お父さんの恋人
◆第五部
十三章 アカネ・ゴー・ラウンド
十四章 # to the world...
◆エピローグ
epilogue...
♭
◆献辞
《第7回ライト文芸大賞奨励賞》
12月のラピスラズリ
あまくに みか
ライト文芸
第6回文芸社文庫NEO小説大賞 最終選考ノミネート作品
煙の街に住む住人たちは、名前がなかった。
それどころか、彼らはみんな同じ顔をしていた。
彼らは毎日、決められたルールをなぞって、世界の歯車として働いている。
「No.426ab3_F」は煙の街の住人の一人。
灰色の空しか見たことのない彼が、生まれて初めての青い空を見た。心を奪われた彼の足元には『12月のラピスラズリ』という一冊の絵本が。
絵本の物語は、猫が旅に出て、自分の居場所を見つけるという話だった。
絵本を読み終えた彼の元に、絵本に登場する猫と似た、黒い猫が現れてこう言った。
「お前の立っている場所は、ここだけじゃない」と。
彼はたった1つの持ち物である絵本を持って、黒猫と共に外の世界へ踏み出すことを決心する。
旅人となって、自分の「名前」を探す旅へ。
『だから、名前が知りたかった。ずっと一緒にいたかったから』
まだ小さな息子と、空へ旅立った愛猫にこの物語を。
表紙絵は、惑星ハーブティ様の作品です
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
まれぼし菓子店
夕雪えい
ライト文芸
和洋の絶品お菓子を供するまれぼし菓子店。
たまたまお店と出会った〝わたし〟。
様々な場面で、三人の店員や常連客と、お菓子を通じて小さな心温まるストーリーが展開される。
美味しいお菓子が織り成す、温かくちょっとだけ不思議な物語。
・.。*・.。*
まれぼし菓子店
美味しいお菓子をつくっております。
皆様のおもいでによせて。
食後のひとくちに。
夜食のお楽しみに。
お気軽にお立ち寄りください。
第7回ライト文芸大賞で奨励賞をいただきました。
ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる