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十七 獄舎-黄昏(二)
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「游隼暉から預かったものは、王妃に渡すことを勧めます。あなたを捕らえて獄舎に入れることは、王妃も承知していると聞いています。あなたは前王の妃ですから、王は取り調べの際に王妃を立ち会わせるでしょう。あなたには西四宮に火を放った疑いがかけられていると聞いていますから、もし取り調べに王妃の姿がなければ、後宮の主人である王妃にだけ話すと言えば良いでしょう。王妃があなたに近づいた際、あれを王妃に渡すのです」
「…………え?」
男は、危険だとわかっているものを王妃に渡すように勧めた。
そのことに、巽茉梨は違和感を覚えた。
游隼暉の息子であれば、游王家に害をなすような真似は忌避するはずではなかったのか。
「あれは、游王朝の始祖の妃が鎮めて封印して以来、ずっと後宮の御廟で管理されていたものです。王妃に渡せば、彼女が適切に処理をしてくれることでしょう。もしできなければ…………游王家が滅びるのみ」
男の声がなぜか王家滅亡を期待しているように、巽茉梨には聞こえた。
「もし、あなたの取り調べの場に王妃が現れなければ、あなたが持っているあれを私に預けてください。私が伝手を辿って、あれを王妃のもとへ届けます」
この男は本当に游隼暉の息子――游会稽なのだろうか、と巽茉梨は疑問を感じ始めていた。
まるで父親の死は游王家に生まれた者として当然の報いだと言わんばかりだ。
新たな王である游稜雅やその妃も、游王家の者である以上は呪われる末路にあるのだと信じているようでもある。
「あなたにはあれは荷が重すぎる」
穏やかな口調で男は告げた。
しかし、すべてにおいて『あれ』とだけ呼び、その存在の名を口にすることを避けているような様子だ。
名を知っているということは、その存在を支配できるということだ。にも拘わらず、彼は『あれ』の名を呼んで所有しようとはしない。
「そして、あなたがあれを所有し続けていれば、いずれ事が露見して祓われるだけです。目的を達成するためには、あなたはあれを手放し、王妃に呪いを引き受けさせるのです」
「し、しかし、あの王妃のそばには妙な精魅がいるのですよ!?」
思わず巽茉梨は声を上げた。
「あぁ、あの不格好な獣のことですか? それなら、心配無用です。すでに手は打ってあります。あなたはただ、あれを王妃に渡すだけで良いのです。あなた自身が喰われてしまう前に、あれを王妃に渡しなさい。さもなくば、人の血肉の味を覚えたあれが本来の姿を現してしまい、警戒されてしまいます。王はまだ、あれの存在に気づいていないはず。後宮がどのような役目を担っていたかも知らされず、西四宮は倒壊の危険があるからという理由で閉鎖しています。西四宮が修復され、再び後宮が開かれる前に、あなたはあれを王妃に引き継がなければなりません」
最初は丁寧だった男の口調が、次第に巽茉梨に言い聞かすようなものに変わっていた。
「すでに妃の任を解かれ、後宮から出されたあなたが所有し続けることは許されないものです」
「こ、これは、わたくしがご主人様から選ばれた証しです! ご主人様がわたくしを選んでくださったのは、わたくしに力を与えてくださったのは、わたくしがご主人様のご期待に応えられるからであって……」
「あなたが利用価値のある妃だったから、贄として選ばれただけです。妃でなくなったあなたは、すでに存在価値がなくなっています」
男が言い放った一言に、ひゅっと巽茉梨は息をのんだ。
「わかりますか? 妃の地位を失ったあなたは、価値がないのです。巽家でも、すでにあなたは厄介者となっていたようですが、あれもあなたを餌としか見ていませんよ?」
「そ、そんなことはありません……わたくしは……金秋宮の封印を解きました。ご主人様の呪いが王宮を蝕み始めるのも、まもなくです。游一族が滅ぶのも……」
自分には価値があるのだ、と巽茉梨は主張したかった。
巽邸に戻った際、家族は優しかったが腫れ物を扱うような態度をとり、使用人たちは痛ましいものでも見るような目で自分を見た。
近所の人々の、前王の妃に対する蔑みの方がずっと心地よかった。彼らはいまでも巽茉梨を隼暉王の妃として見てくれていた。隼暉王の死後も、新たに游稜雅が王位に就いたいまでも、巽妃として自分を扱ってくれた。
巽妃だから憎まれる、暴言を吐かれる、石を投げられる方が、彼女の矜持を満たしていた。
いまだってそうだ。
巽妃だから、危険人物として獄舎に囚われている。
いずれ稜雅王は、自分を巽妃として取り調べる。前王の後宮で生き残った数少ない妃として、隼暉王の暴政の内幕を知る重要人物として、稜雅王は自分を処罰するのだ。
美しい衣を身に纏い、華やかな装飾品で飾り立てなくとも、自分には妃という位がある。これは入れ墨のように自分の身体に刻まれたものであり、死後も自分が巽妃であるという事実は消えないのだ。
「本気で游一族を滅ぼしたいのであれば、游稜雅を殺したいのであれば、あなたが選ぶべき行動はただひとつのはずです」
男は淡々と告げた。
「あなたが主人と呼ぶあれを、王妃に託すのです。さすれば、王妃が游王家を滅ぼしてくれるでしょう」
「わ、わたくしは……」
「あなたひとりでは達成できない目的を成功させるためには、その手段を実現可能な人物に譲る決断をすることもまた重要なのです。さもなくば、長年の計画は破綻し、あなたは喰われて無駄死にするだけです」
あえて男は容赦ない事実だけを突きつけた。
「あなたの役目は終わったのです」
最終通告のように男は言い放つと、ふつりと声は途絶えた。
かすかに石畳の上で響いた履音もすぐに消えた。
床の上に座り込んでいた巽茉梨は、ぼんやりと壁を凝視した。
(あれは、何者?)
游隼暉を操っていた存在を把握し、それでも放置していたような口ぶりだった。
実の息子が、そのような真似をするものだろうか。
しかも、游王家が滅ぶということは、游隼暉の血を引く游会稽も死ぬ運命にあるというのに。
「ご主人様……あの男の言葉を信用すべきなのでしょうか。それとも、あの男はわたくしを騙そうとしているのでしょうか」
自分の味方をしているように見せかけて、主人を葬り去ろうとしていることも考えられた。
なぜならあの男が游隼暉の息子であれば、游王家滅亡は望まないはずだ。
それなのになぜ、あの男があのような言葉を残していったのか、理解できなかった。
「ご主人様……どうか、お答えください……わたくしに、正しい道をお示しくださいませ」
巽茉梨は懇願するように声を上げた。
しかし、独房の中では彼女の問いに答えるような物音ひとつ立たず、静まりかえるだけだった。
「…………え?」
男は、危険だとわかっているものを王妃に渡すように勧めた。
そのことに、巽茉梨は違和感を覚えた。
游隼暉の息子であれば、游王家に害をなすような真似は忌避するはずではなかったのか。
「あれは、游王朝の始祖の妃が鎮めて封印して以来、ずっと後宮の御廟で管理されていたものです。王妃に渡せば、彼女が適切に処理をしてくれることでしょう。もしできなければ…………游王家が滅びるのみ」
男の声がなぜか王家滅亡を期待しているように、巽茉梨には聞こえた。
「もし、あなたの取り調べの場に王妃が現れなければ、あなたが持っているあれを私に預けてください。私が伝手を辿って、あれを王妃のもとへ届けます」
この男は本当に游隼暉の息子――游会稽なのだろうか、と巽茉梨は疑問を感じ始めていた。
まるで父親の死は游王家に生まれた者として当然の報いだと言わんばかりだ。
新たな王である游稜雅やその妃も、游王家の者である以上は呪われる末路にあるのだと信じているようでもある。
「あなたにはあれは荷が重すぎる」
穏やかな口調で男は告げた。
しかし、すべてにおいて『あれ』とだけ呼び、その存在の名を口にすることを避けているような様子だ。
名を知っているということは、その存在を支配できるということだ。にも拘わらず、彼は『あれ』の名を呼んで所有しようとはしない。
「そして、あなたがあれを所有し続けていれば、いずれ事が露見して祓われるだけです。目的を達成するためには、あなたはあれを手放し、王妃に呪いを引き受けさせるのです」
「し、しかし、あの王妃のそばには妙な精魅がいるのですよ!?」
思わず巽茉梨は声を上げた。
「あぁ、あの不格好な獣のことですか? それなら、心配無用です。すでに手は打ってあります。あなたはただ、あれを王妃に渡すだけで良いのです。あなた自身が喰われてしまう前に、あれを王妃に渡しなさい。さもなくば、人の血肉の味を覚えたあれが本来の姿を現してしまい、警戒されてしまいます。王はまだ、あれの存在に気づいていないはず。後宮がどのような役目を担っていたかも知らされず、西四宮は倒壊の危険があるからという理由で閉鎖しています。西四宮が修復され、再び後宮が開かれる前に、あなたはあれを王妃に引き継がなければなりません」
最初は丁寧だった男の口調が、次第に巽茉梨に言い聞かすようなものに変わっていた。
「すでに妃の任を解かれ、後宮から出されたあなたが所有し続けることは許されないものです」
「こ、これは、わたくしがご主人様から選ばれた証しです! ご主人様がわたくしを選んでくださったのは、わたくしに力を与えてくださったのは、わたくしがご主人様のご期待に応えられるからであって……」
「あなたが利用価値のある妃だったから、贄として選ばれただけです。妃でなくなったあなたは、すでに存在価値がなくなっています」
男が言い放った一言に、ひゅっと巽茉梨は息をのんだ。
「わかりますか? 妃の地位を失ったあなたは、価値がないのです。巽家でも、すでにあなたは厄介者となっていたようですが、あれもあなたを餌としか見ていませんよ?」
「そ、そんなことはありません……わたくしは……金秋宮の封印を解きました。ご主人様の呪いが王宮を蝕み始めるのも、まもなくです。游一族が滅ぶのも……」
自分には価値があるのだ、と巽茉梨は主張したかった。
巽邸に戻った際、家族は優しかったが腫れ物を扱うような態度をとり、使用人たちは痛ましいものでも見るような目で自分を見た。
近所の人々の、前王の妃に対する蔑みの方がずっと心地よかった。彼らはいまでも巽茉梨を隼暉王の妃として見てくれていた。隼暉王の死後も、新たに游稜雅が王位に就いたいまでも、巽妃として自分を扱ってくれた。
巽妃だから憎まれる、暴言を吐かれる、石を投げられる方が、彼女の矜持を満たしていた。
いまだってそうだ。
巽妃だから、危険人物として獄舎に囚われている。
いずれ稜雅王は、自分を巽妃として取り調べる。前王の後宮で生き残った数少ない妃として、隼暉王の暴政の内幕を知る重要人物として、稜雅王は自分を処罰するのだ。
美しい衣を身に纏い、華やかな装飾品で飾り立てなくとも、自分には妃という位がある。これは入れ墨のように自分の身体に刻まれたものであり、死後も自分が巽妃であるという事実は消えないのだ。
「本気で游一族を滅ぼしたいのであれば、游稜雅を殺したいのであれば、あなたが選ぶべき行動はただひとつのはずです」
男は淡々と告げた。
「あなたが主人と呼ぶあれを、王妃に託すのです。さすれば、王妃が游王家を滅ぼしてくれるでしょう」
「わ、わたくしは……」
「あなたひとりでは達成できない目的を成功させるためには、その手段を実現可能な人物に譲る決断をすることもまた重要なのです。さもなくば、長年の計画は破綻し、あなたは喰われて無駄死にするだけです」
あえて男は容赦ない事実だけを突きつけた。
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最終通告のように男は言い放つと、ふつりと声は途絶えた。
かすかに石畳の上で響いた履音もすぐに消えた。
床の上に座り込んでいた巽茉梨は、ぼんやりと壁を凝視した。
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「ご主人様……あの男の言葉を信用すべきなのでしょうか。それとも、あの男はわたくしを騙そうとしているのでしょうか」
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