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不思議な感覚だった。
ふわふわと宙を浮いているような感覚がする。
それは、どこまでが私で、どこからが私なのかわからない曖昧なだった。
夢を見ているかのように霞がかった世界が私を包む。
そこは、優しい揺りかごのようにも感じた。
そして、私ではない誰かが常に私の側にいた。
ふわふわとした空間で漂っていると時々私じゃない誰かの感情と映像が流れてきた。
そこには、私が一番大好きで一番会いたくない人がいた。
私の婚約者であるこの国の皇太子のエドワード様だ。
エドワード様は大好きだけれども、皇太子妃という重圧から逃げ出したかった。
エドワード様が優しくしてくださるたびに、私はこのまま流されて生きていくだけでいいのかわからなくなった。
そこにきて異世界からの迷い人であるマコト様が登場し、エドワード様が異世界からの迷い人であるマコト様と想いを通わせているのではないかと不安になった。
さらには、私のお腹の中にはエドワード様との子供がいた。
不安だった。
毎日不安で押し潰されそうだった。
この子を産んだら皇太子妃の道を進まなきゃいけないんだと。
自分のことも自分で決めることが出来ずに流されて生きてきた私に皇太子妃が務まるのかと。
それに、なにより私が産んだ我が子に流されるがまま生きている私を見てほしくはなかった。
逃げたかった。
現実から。
皇太子妃という重圧から。
エドワード様から。
私の産んだ愛し子から。
逃げたかった。
その想いが通じたのか、私はいつの間にかライラという女性の身体の中にいた。
そうして、眠るようにライラの中に身を潜めていたのに、マコト様のせいで現実に引き戻されてしまった。
夢の終わりがそこにはあった。現実を生きなければいけないと突きつけられた。
でも、マコト様のお陰でエドワード様と話すことができた。
そうして、エドワード様とマコト様の関係も誤解だということがわかり、エドワード様の熱い想いを受けとることができた。
今度は、私の番。
逃げずに立ち向かわなければ。
自分の運命と、皇太子妃という重圧と。
でも、レイチェルの身体のままだと身動きが取りづらいから。
だから。
ライラ、身体を貸してちょうだい。
私は目を開ける。
夜が明けても私はライラの身体の中にいた。いつの間にかライラの身体の主導権は私が握っていた。
『ライラ、身体を貸してちょうだい。』
『………気がすんだら元の身体に戻るのよ。』
ライラはしぶしぶながらも頷いてくれた。
『ありがとうございます。ライラ。』
「ありがとうございます。ユキ様。」
ライラと、ユキ様にお礼を言う。こんな私を全力で支えてくれるという二人に感謝を込めて。
「レイチェルが生きたいように生きればいいのよ。」
こうして、私はライラの身体を借りて生活をすることになった。
「ライラは、エドワード様の暗殺を依頼されたのでしょ?私、隣国を調査しようと思うの。」
エドワード様の隣に立ちたいから。私は隣国に向かう。
ふわふわと宙を浮いているような感覚がする。
それは、どこまでが私で、どこからが私なのかわからない曖昧なだった。
夢を見ているかのように霞がかった世界が私を包む。
そこは、優しい揺りかごのようにも感じた。
そして、私ではない誰かが常に私の側にいた。
ふわふわとした空間で漂っていると時々私じゃない誰かの感情と映像が流れてきた。
そこには、私が一番大好きで一番会いたくない人がいた。
私の婚約者であるこの国の皇太子のエドワード様だ。
エドワード様は大好きだけれども、皇太子妃という重圧から逃げ出したかった。
エドワード様が優しくしてくださるたびに、私はこのまま流されて生きていくだけでいいのかわからなくなった。
そこにきて異世界からの迷い人であるマコト様が登場し、エドワード様が異世界からの迷い人であるマコト様と想いを通わせているのではないかと不安になった。
さらには、私のお腹の中にはエドワード様との子供がいた。
不安だった。
毎日不安で押し潰されそうだった。
この子を産んだら皇太子妃の道を進まなきゃいけないんだと。
自分のことも自分で決めることが出来ずに流されて生きてきた私に皇太子妃が務まるのかと。
それに、なにより私が産んだ我が子に流されるがまま生きている私を見てほしくはなかった。
逃げたかった。
現実から。
皇太子妃という重圧から。
エドワード様から。
私の産んだ愛し子から。
逃げたかった。
その想いが通じたのか、私はいつの間にかライラという女性の身体の中にいた。
そうして、眠るようにライラの中に身を潜めていたのに、マコト様のせいで現実に引き戻されてしまった。
夢の終わりがそこにはあった。現実を生きなければいけないと突きつけられた。
でも、マコト様のお陰でエドワード様と話すことができた。
そうして、エドワード様とマコト様の関係も誤解だということがわかり、エドワード様の熱い想いを受けとることができた。
今度は、私の番。
逃げずに立ち向かわなければ。
自分の運命と、皇太子妃という重圧と。
でも、レイチェルの身体のままだと身動きが取りづらいから。
だから。
ライラ、身体を貸してちょうだい。
私は目を開ける。
夜が明けても私はライラの身体の中にいた。いつの間にかライラの身体の主導権は私が握っていた。
『ライラ、身体を貸してちょうだい。』
『………気がすんだら元の身体に戻るのよ。』
ライラはしぶしぶながらも頷いてくれた。
『ありがとうございます。ライラ。』
「ありがとうございます。ユキ様。」
ライラと、ユキ様にお礼を言う。こんな私を全力で支えてくれるという二人に感謝を込めて。
「レイチェルが生きたいように生きればいいのよ。」
こうして、私はライラの身体を借りて生活をすることになった。
「ライラは、エドワード様の暗殺を依頼されたのでしょ?私、隣国を調査しようと思うの。」
エドワード様の隣に立ちたいから。私は隣国に向かう。
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