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「さあ、私にはレイチェル様の魂がどこにあるのかは、さぱりわからないよ。貴女は知っているのですか?」

マコト様は表情がまったくわからない笑顔を浮かべている。

本当は知っているのではいのだろうか。

知っているとまではいかなくても、だいたいの予測はしているということだろうか。

「・・・さあ?今は教えられません。」

そう言って、マコト様に向かって、にっこりと笑みを見せる。

すると、マコト様は笑みを深めた。

「そうですか。貴女はレイチェルの魂がどこにあるのか、わかっているようですね。でも、まだ教えていただけないということですか?」

どうやらマコト様にはすべてお見通しのようである。

本当にマコト様は頭が切れるお方だ。味方にいれば、心強いが敵に回したらやっかいな人間に思えた。

「はい。私の話す内容は突拍子もないことですから、信じていただけないかもしれませんので。」

信じてもらえなくて、私の中にレイチェルの魂があるというのに、嘘つきだと糾弾されたのならば、レイチェルの魂を返す術がなくなってしまう。

でも、彼らの必死さからすると藁にもすがりたい気持ちかもしれないが。

「信じるにしても信じないにしても、調査はいたしますよ。レイチェル様の情報はひとつでも多くほしいので。」

「そうですか。では、この教会を救ってくださったのならお教えいたしましょう。でも、レイチェルの魂はあっても具体的に何をしたらいいかはわかりませんよ。」

「わかりました。では、レイチェル様が早く目覚めるように、ちゃっちゃと協会の件はなんとかいたしましょう。」

マコト様はにっこりと微笑む。

その微笑みが、黒く見えたのは気のせいではないだろう。

「彼らはアックドーイ侯爵とその長子です。教会を狙っているのは今のところこの二人だけですので、二人を暗殺してしまえば良いでしょう。」

「はぁ?」

目の前でにこやかに笑っている人は今、なんと言っただろうか。

もうすでに、この教会を狙っている人物がわかっているのは理解した。そうではないかと薄々思っていたし。

だが、簡単に暗殺すると言うとは・・・。

「できますよね?ライラさん。」

にっっこりと笑うその笑みに思わず恐怖する。この人は知っている。私が、暗殺者だということを・・・。
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