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しおりを挟む「レイチェル。私は君だけを愛しているよ。」
「えっ?」
ちゅっと額にふんわりとしたキスが降ってくる。
急にエドワード様は何を言い出すのだろうか。もしかして、ほんとうは私たちが話していた会話の内容を知っているの?
手に触れる暖かい感触。
エドワード様が今度は手を握ってきた。そして愛しそうに私の手をエドワード様の頬にあてる。
「レイ。私のレイ。私の可愛いレイ。大好きだよ。覚えておいて。何があっても私は君だけを愛しているよ。」
「くすぐったいわ。急に何を言い出すのかしら?エディ。」
甘えるように抱き締められて頬擦りされる。ちゅっ、ちゅっと軽いキスが何度も何度も唇に落ちてきた。
まるで私の不安を打ち消すように。そして、エドワード様が隠しているなにかをごまかすように。
「マコトとユキが今、ここに来るよ。彼らもレイをとても心配していたよ。」
「まあ。二人にはご迷惑をおかけしてしまって・・・。」
「レイが謝ることではないよ。もっとレイと一緒にいたいけど、執務があるからマコトたちが来たら私は席を外すね。」
エドワード様はそう言って、私の長い髪をその綺麗な手で何度も何度もすいてくれる。
時おり髪を手に取り、唇をよせてくる。
「エディ・・・。」
すがるようにエドワード様を見つめれば頬にキスが落ちてきた。
唇でないのが不満に思い、軽く睨み付けるとクスクスと笑ったエドワード様が、ちゅっと今度は唇にキスをしてくれた。
「レイチェル!もう、大丈夫なの!!」
エドワード様に甘えていると、ノックもなくユキ様が部屋に飛び込んできた。
「あ、ユキ。部屋に入るときはノックをして中にお伺いをたててからってなんども・・・。」
どうやらマコト様も一緒のようだ。猪突猛進なユキ様を必死に嗜めている。
マコト様も大変そうだ。
特にユキ様に悪気があるわけじゃないので、注意も強くできないらしい。
「あ、エドワード・・・いたの。レイチェルから離れてちょうだいっ!!」
「・・・どうして、君にそんなことを言われなきゃならないのかな?」
ユキ様の物言いにエドワード様の温厚な笑顔が崩れる。
そんなことお構いもなくユキ様は続ける。
「あなたは、レイチェルと別れたいから私やマコトに近づいてレイチェルとの婚約破棄を狙っているんでしょうけどそうはいかないわ!」
「ちょ・・・ユキ!!」
「婚約破棄?なぜ、私がレイチェルと婚約破棄しなければならない?それに、別に破棄しようとするならば君たちの協力は不要だが。」
ユキ様ったらいったい何を急に言い始めるの!?
エドワード様の綺麗なお顔の眉間にシワがよっているし。エドワード様怒ってるよ。
「私知ってるんだから!エドワードがレイチェルを陥れるために婚約を結んで、罪を着せて婚約破棄をするんだわ。それで、レイチェルは悲惨な最期を迎えることになるのよ!許さないんだからっ!!」
ちょっと!ユキ様。その妄想はなにっ!?
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