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アルフォネアは……
しおりを挟む「アルフォネアは、アルスレーンの修道院に送ることにする。」
王様はアルフォネアに対する処罰を告げた。
アルスレーンの修道院と言えばとても厳しい場所として有名だ。
主に貴族の犯罪者が送られる場所と聞いている。だが、あまりにも厳しい生活に、慣れない環境でアルスレーンの修道院に送られた者はたいていが1年と経たず発狂すると聞いている。
「……寛大なご対応ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
お父様とお母様は王様に感謝の意を述べ、深々と頭を下げた。私もそれにならう。
確かにとても寛大な処罰だ。
アルフォネアの犯した罪はさらし首にされてもおかしくないほどだ。
王家を陥れようとし、謀反を企んだともとられかねないのだから。
「ステファニー嬢がルーンファクトの婚約者であるための措置だ。ステファニー嬢がルーンファクトの婚約者でなければ、すぐに処刑となっていたであろう。未来の王妃であるステファニー嬢の名に傷がつかぬよう表向きは修道院で孤児たちの世話をする健気なアルフォネアということにしようと思う。これはアルフォネアを思ってのことではない。今までアルフォネアに辛い思いをさせられていたステファニー嬢の未来を憂いてのことだ。」
「はっ。しかと心得ております。」
「ありがとうございます。ステファニーのことを考えてくださりありがとうございます。」
「ありがとうございます。王様。」
お父様とお母様と私はもう一度王様に深く頭を下げた。
こうしてアルフォネアは厳しいとされるアルスレーン地方の修道院に更迭されたのだった。
「ねえ。どこにいくのかしら?私は王都から離れたくないわ。私は王妃になるのよ。」
「ねえ。寒いのだけれども?私のために羽織るものを持ってきてくださらないかしら?あなたが来ているものでもいいわ。」
「聞いているのかしら?喉が渇いたわ。紅茶を淹れて頂戴。そのくらいできるでしょう?」
「ねえ!聞いているの?おろして頂戴。いい加減腰が痛いわ。この私に対して態度がなっていないわよ。」
目隠しをされ更迭される馬車の中でアルフォネアは始終言葉を発していたが、その言葉に答えるものは誰もいなった。
私は、ルーンファクト様との婚約関係が何事もなく維持され、将来の王妃として輝かしい未来が約束されたのだった。
☆☆☆ おわり ☆☆☆
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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