31 / 36
アルフォネアは王様に向かって物申す……
しおりを挟む「……まあ、よい。今日はユルスグリーン侯爵家に対する処置について呼んだ。」
「はっ。」
王様はアルフォネアのことは見なかったことにしたようだ。
すぐに本題に入った。
きっと内心はアルフォネアと長時間関わり合いになりたくないため、すぐにでも要件を終わらせたいのだろう。
あくまで推測だが。
「ユルスグリーン侯爵家の次女アルフォネアは、ルーンファクト王子の子を身ごもったと嘘偽りを広めた。その罪は王家に対する侮辱罪に値する。だが、ユルスグリーン侯爵家の長女ステファニーはルーンファクト王子の婚約者である。」
王様は、アルフォネアの罪状を告げた。
「私、侮辱なんてしてませんわ。だって、ルーンファクト様の子を身ごもったと本当に思っていたのですもの。嘘ではありませんわ。それに、私はルーンファクト様の婚約者だわ。お姉さまはルーンファクト様の婚約者じゃありません。」
アルフォネアは王様に対して堂々と言い訳をした。まったく悪いことだとは思っていないようだ。
王様の眉がピクリッと動く。
「……そなたは嘘は言っていないと、そう言うのか?」
「ええ。そうよ。だって、そう思い込んでいたのだもの。仕方がないじゃない。それに、世継ぎが出来たことは慶事でしょう。すぐに皆にお伝えして広める必要があるわ。」
アルフォネアは堂々と発言する。
お父様はアルフォネアのあんまりな発言に顔を真っ青にしてなにも言えずにいる。お母様は口から泡を吹いて今にも倒れそうだ。
「……アルフォネア。それはあなたがルーンファクト様と婚姻関係にあって、本当に世継ぎが出来ていた場合でないと認められないわ。」
「また!お姉さまは関係ないのだから黙っていてちょうだい!」
アルフォネアは私の言葉には耳を傾けることもしない。
「私はルーンファクト王子の婚約者はステファニーだと認識している。」
「それ間違っているわ。だって、ルーンファクト様には女性の見本となれるような素晴らしい女性が好ましいでしょう?お姉さまは地味だし、正確だって暗いしとてもじゃないけど、ルーンファクト様には似合わないわ。私の方が綺麗だし、美人だし、正確だってとっても良いもの。ルーンファクト様には私こそ相応しいのよ。お父様もそのように言っていたわ。」
「……真か?」
王様はお父様に視線を移す。お父様はビクリッと肩を震わせた。
「……私の……私の言葉が……足りなかったばかりに、アルフォネアは自分こそがルーンファクト殿下の婚約者であると盛大な勘違いをしたようです。誠に……誠に申し訳ございませんっ!」
お父様は王様に平謝り状態だ。王様の目を見ることもできない。
「まあ!お父様が嘘をついたというの!!私はルーンファクト様の婚約者よ。王妃様だって認めてくれたでしょう!私をこの国のお姫様になるのに相応しいって!!」
アルフォネアは今度は王妃様の発言を持ちだしてきた。
2
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説
泣き虫令嬢は自称商人(本当は公爵)に愛される
琴葉悠
恋愛
エステル・アッシュベリーは泣き虫令嬢と一部から呼ばれていた。
そんな彼女に婚約者がいた。
彼女は婚約者が熱を出して寝込んでいると聞き、彼の屋敷に見舞いにいった時、彼と幼なじみの令嬢との不貞行為を目撃してしまう。
エステルは見舞い品を投げつけて、馬車にも乗らずに泣きながら夜道を走った。
冷静になった途端、ごろつきに囲まれるが謎の商人に助けられ──
婚約破棄をしてくれた王太子殿下、ありがとうございました
hikari
恋愛
オイフィア王国の王太子グラニオン4世に婚約破棄された公爵令嬢アーデルヘイトは王国の聖女の任務も解かれる。
家に戻るも、父であり、オルウェン公爵家当主のカリオンに勘当され家から追い出される。行き場の無い中、豪商に助けられ、聖女として平民の生活を送る。
ざまぁ要素あり。
全てを義妹に奪われた令嬢は、精霊王の力を借りて復讐する
花宵
恋愛
大切なお母様にお兄様。
地位に名誉に婚約者。
私から全てを奪って処刑台へと追いやった憎き義妹リリアナに、精霊王の力を借りて復讐しようと思います。
辛い時に、私を信じてくれなかったバカな婚約者も要りません。
愛人に溺れ、家族を蔑ろにするグズな父親も要りません。
みんな揃って地獄に落ちるといいわ。
※小説家になろうでも投稿中です
婚約破棄された枯葉令嬢は、車椅子王子に溺愛される
夏生 羽都
恋愛
地味な伯爵令嬢のフィリアには美しい婚約者がいる。
第三王子のランドルフがフィリアの婚約者なのだが、ランドルフは髪と瞳が茶色のフィリアに不満を持っている。
婚約者同士の交流のために設けられたお茶会で、いつもランドルフはフィリアへの不満を罵詈雑言として浴びせている。
伯爵家が裕福だったので、王家から願われた婚約だっだのだが、フィリアの容姿が気に入らないランドルフは、隣に美しい公爵令嬢を侍らせながら言い放つのだった。
「フィリア・ポナー、貴様との汚らわしい婚約は真実の愛に敗れたのだ!今日ここで婚約を破棄する!」
ランドルフとの婚約期間中にすっかり自信を無くしてしまったフィリア。
しかし、すぐにランドルフの異母兄である第二王子と新たな婚約が結ばれる。
初めての顔合せに行くと、彼は車椅子に座っていた。
※完結まで予約投稿済みです
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
妹よ。そんなにも、おろかとは思いませんでした
絹乃
恋愛
意地の悪い妹モニカは、おとなしく優しい姉のクリスタからすべてを奪った。婚約者も、その家すらも。屋敷を追いだされて路頭に迷うクリスタを救ってくれたのは、幼いころにクリスタが憧れていた騎士のジークだった。傲慢なモニカは、姉から奪った婚約者のデニスに裏切られるとも知らずに落ちぶれていく。※11話あたりから、主人公が救われます。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる