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アルフォネアは歓迎されている……?

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 王宮に着いた私たちは応接室に通された。

 応接室の中には国の重臣たちが席に座って私たちの到着を待っていた。

 王様をはじめ王妃様やルーンファクト様はまだ来ていないようだ。きっと私たちが到着してから来る手はずとなっているのだろう。

 私たちは案内された席に座る。

「まあ。私が王室に入ることをこんなにも沢山の人が歓迎してくれるだなんて。」

 アルフォネアは重臣たちの憮然とした表情を見ているはずなのに、まだ王室に入れると思い込んでいる。

「アルフォネア、静かに座っていなさい。きょろきょろと辺りを見回してはなりません。」

 お母様がアルフォネアに注意する。

「まあ。お母様ったら。大丈夫ですわ。私は歓迎されているのですもの。このように大勢の重臣の方々が私の到着を待ちわびていたのよ。ねえ、皆さん。」

 アルフォネアは重臣たちににっこりと笑ってみせた。重臣たちは渋い顔をさらに渋くしてアルフォネアを凝視する。

 重臣たちはアルフォネアに何も言い返さない。

「ふふふ。私と喋るのに緊張なさっているのね。安心してちょうだい。私に危害を加えなければ、あなたたちには優しく接してあげるわ。」

「アルフォネアっ!!少し黙ってちょうだい!!」

 お母様がアルフォネアの肩を掴む。

「痛いわ。お母様。」

 アルフォネアはお母様の切羽詰まった表情を見て眉を潜めた。

「そろそろ王様がいらっしゃいます。きちんとした姿勢で待っていましょう。」

「……お姉さまに言われなくてもわかっているわよ。」

 アルフォネアは渋々と頷いた。





「ふむ。待たせたようだな。」

 しばらくしてから王様と王妃様とルーンファクト様が応接室に姿を現した。
 
「ええ。待っておりましたわ。お義父様。お義母様。ルーンファクト様。」

「「「「「なっ!!?」」」」」

「アルフォネアっ!?」

「ああ……アルフォネア。」

 王様が発した言葉にアルフォネアが堂々と「待っていた」と発言した。さらには、王様や王妃様のことをお義父様、お義母様と勝手に発言した。
 
 王様や王妃様へのあまりの態度の悪さに重臣たちは目を丸く見開いた。
 
 お父様も流石に驚いてアルフォネアを凝視している。お母様はガックリと項垂れてしまった。
 
「……話に聞いていた以上の娘だな。」

 王様が発した低い声にお父様とお母様と私は床に頭がついてしまうのではないかというほど、頭を下げた。

「大変申し訳ございません。私の教育がなっていないばかりに……。」

「「大変申し訳ございません。王様。ご不敬をお許しください。」」

「あら?なんで謝っているのかしら?王様は私のことを話しに聞いていたよりも素晴らしい娘だって褒めてくれたのよ。なにも謝ることなんてないと思うわ。」

 アルフォネアは更に言葉を発する。私たちはその言葉に肝が冷えた。冷や汗も額に浮かび上がってくる。

「アルフォネア。王様に対して失礼だ。すぐに謝罪なさい。」

 お父様がアルフォネアに硬い口調で叱責するが、アルフォネアは涼しい顔をしている。

「私、謝らなければならないようなことなんてなにもしていないわ。」

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