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無知は罪……
しおりを挟む「ルーンファクト様、お父様、ファル。失礼いたします。アルフォネアのことですが……。」
私は応接室のドアをノックした。そして、戻ってきたことを伝える。
「ああ。入りなさい。」
「失礼いたします。」
中からお父様の声が聞こえた。
私は、応接室の中に入る。
「アルフォネアはなんと?」
「……お母様。」
応接室の中にはお母様もいた。お父様の隣に並んでいる。
「アルフォネアは……ソフィーに診ていただいたところ月のものだそうです。」
私は事実をお伝えする。
「……はぁ。」
「はははっ。そっか……そっか……。」
「はあ……頭が痛いわ。」
「……まあ……よかったの……か?」
子供が出来たわけではなく「月のもの」だということを伝えるとルーンファクト様たちは安堵したような笑みをみせたり、頭を抱えたりと反応は様々だった。
「あと……アルフォネアは子供が出来る行為について何一つ知りませんでした。好きな人と肌を触れあわせたら子供が出来ると思っていたようです。」
私はもう一つの事実を伝えた。
「……はあ。これで、オレの無実は証明されましたよね?ステファニーありがとう。オレの無実を証明してくれて……。」
「「「…………はあ。」」」
ファルは自分の無実が証明されたことにホッとした様子をみせて喜んでいたが、ルーンファクト様とお父様とお母様は頭を抱えてしまった。特にお父様とお母様は頭を抱えてその場に座り込んでしまった。
「アルフォネアがお騒がせいたしました。大変申し訳ございません。」
「アルフォネアがルーンファクト様を混乱させてしまい大変申し訳ございません。どんな罰でもお受けいたします。」
お父様とお母様はそのまま、ルーンファクト様に向かって謝罪をした。
「あ、ああ。……うん。まあ……不問にしたいところだが……。アルフォネア嬢が私の子を妊娠したという話をここにいる者以外には口外していないよな?……もし、噂が広まっていたりしたら……虚偽の罪で無罪というわけにはいかないだろう。」
ルーンファクト様は歯切れが悪い。
ルーンファクトの子だと偽ったのだ。王家に対して虚偽の発言をした。その罪は重いだろう。
社交界や平民の間にその話が広まったりなどしていたら、王家の醜聞となるだろう。ルーンファクト様になんの落ち度もないのに。それを罰せずにいれば、本当だったと言っているようなものだ。
「……いかなる罰もお受けする所存でございます。」
お父様とお母様はルーンファクト様に頭を下げた。
「……まずはアルフォネアに誰にこの話をしたのか確認した上で、王様と王妃様にお伝えする。処分については……私の父である王様から後ほど伝えられるだろう。後でアルフォネアに王宮の者を使わせるからそのつもりでいてください。」
ルーンファクト様は困り果てた顔をしながらそう言うと急いでユルスグレーン侯爵家を後にした。
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