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無知とは罪深きもの……

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「アルフォネア……お医者様がいらしたわ。看てもらいましょう。」

 ベッドの上で丸くなっているアルフォネアに声をかける。

「痛いっ……痛いっ……。どうして……どうして、ルーンファクトさまぁ……。」

 アルフォネアは涙を流しながらルーンファクト様の名前を呼び続ける。

「アルフォネア……。」

「アルフォネア様……ソフィーでございます。脈診させていただきます。お手に触りますね。」

 アルフォネアのために呼んだ女性のお医者様であるソフィーがアルフォネアの白く細い手に触れた。アルフォネアは何も言わずにされるがままになっている。

「……月のもの……でございますね。アルフォネア様。大丈夫ですよ。落ち着いて深呼吸してください。」

 ソフィーはそう言うとアルフォネアの背中を撫でさすった。

「……月の……もの?でも……私……。」

 アルフォネアは呆然とした表情を浮かべてソフィーを見つめる。

「アルフォネア様はお子ができる行為を知っておりますか?お母様から閨のことを教わりましたか?」

「いいえいいえ。愛し合っている男の人と肌を触れあわせることでお子ができると……。」

 アルフォネアは泣きはらした目でキョトンとした表情をした。

「そうですね。では、まずそこからお教えいたしますね……。」

 ソフィーはアルフォネアに手取り足取りどうしたら子供が出来るのかということを説明した。

 アルフォネアはソフィーの説明を顔を真っ赤にして聞いていた。そして、ソフィーが全て説明をし終わると、枕に顔を押しつけた。

「……私ってば……私ってば……。」

「ソフィーありがとう。アルフォネア……子供が出来たわけではなくてよかったわ。今、応接室ではルーンファクト様もファルもお父様も大混乱の最中だと思うわ。私はお父様たちに説明してくるから、ゆっくり休んでいなさい。ソフィー。アルフォネアのことをよろしくね。」

「……。」

「はい。ステファニー様。」

 アルフォネアは何も言わなかった。

 私はアルフォネアの部屋を出てお父様たちがいる応接室に向かった。

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