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お父様が乱入してきました‥……

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「……ルーンファクト様がお待ちかねのアルフォネアが来たみたいですので、私はこれで失礼いたしますわ。」

 ファルを助ける義理はないし、もともとファルが撒いた種だ。

 私はファルとアルフォネアを置いて応接室を出ようとソファーから立ち上がった。

「うふふっ。お姉様ったらわかっていらっしゃるわ。私は今からルーンファクト様との熱い時間を過ごすのよ。」

「ちがっ!!ステファニー嬢!私を置いていかないでくれ!!」

「はいはい。わかっているわよ。私は出て行くから後は二人でしっかりと話し合ってちょうだい。」

 アルフォネアは嬉しそうに私に早く出て行けと促す。反対にファルは私に出て行くなと手をのばす。

「アルフォネア!!ルーンファクト殿下に近づくんじゃない!ルーンファクト殿下はステファニーの婚約者なんだぞ。少しは常識を身につけてくれ!」

 出て行こうとドアを開けたところお父様がものすごい形相で応接室に入ってきた。きっと侍女の誰かが、アルフォネアが応接室に言ったとお父様に告げたのだろう。

「まあ!お父様っ!お父様、私がルーンファクト様の婚約者なのです。そうおっしゃいましたでしょう?王妃様にも気に入ってもらえていて、すぐにでも王宮にとおっしゃっているのです。お姉様ではなく私のことを王妃様は望まれているのですわ。」

 アルフォネアはファルにひっついたままお父様に向かって言う。

「違うと言っているだろう!ルーンファクト殿下の婚約者はステファニーだ。これは変わらない。アルフォネアは勘違いをしているんだ。アルフォネアは貴族や平民の見本にはなれぬだろう。アルフォネアは自分のことばかりを考えているのだからな。王族は自分のことだけではなく、民のことをすべて平等に考えねばならん。それがアルフォネアにはできるのか?」

「お父様がなにをおっしゃっているのかわかりませんわっ!私はいつも周りにいる皆のことを気にかけているのに。」

「……気にかけている?どこがだ。かき乱しているの間違いではないのか?自分の都合の良いことだけを言って、都合の悪いことは聞かないふりをしているんじゃないのか?」

「そんなことありませんわ!私を悪く言う人は今まで一人もいませんでしたわ。私は皆に好かれているのです。私がなすことは全て皆のためなのですわ。」

「じゃあ、今のルーンファクト殿下がどうお思いなのか、アルフォネアにはわかるのか?」

 お父様とアルフォネアの口論が続く。

 お父様の言葉にもアルフォネアは怯まない。

「もちろん!ルーンファクト殿下は私のことが大好きだっておっしゃってますわ。」

「そうなのか?ルーンファクト殿下?」

 アルフォネアの言葉にお父様がルーンファクト殿下に尋ねる。

「いや。私はステファニーのことを好ましく思っている。それに失礼だが、王家に相応しいのもステファニーの方だと思っているよ。」

 ルーンファクト殿下の言葉にアルフォネアが悲鳴を上げた。

「ルーンファクト様!嘘でしょ?お父様とお姉様がいらっしゃるから、そんな風におっしゃっているのでしょう?私を愛しているとおっしゃったじゃないですかっ!それに、私のお腹にはルーンファクト様との愛の証であるお子が宿っているのですわっ!」

「え?」「は?」「なにっ!?」

 突然のアルフォネアの爆弾発言に私たちは驚き過ぎて頭が真っ白になった。

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