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アルフォネアの独白
しおりを挟む私はアルフォネア。ユルスグレーン侯爵家の次女。ステファニーお姉様の妹。
お姉様は清楚で綺麗だとは思うけれど、とっても地味なの。そしてお説教くさくてオバサンみたい。私はそんなお姉様を見て育ってきた。だから、私はお姉様みたいには絶対にならないと決めたの。
私は綺麗で愛らしいお姫様のようになりたいの。そうすれば、みんなが私を見てくれる。私のことを愛してくれる。私に優しくしてくれる。
「王妃様は私のこととっても気に入ってくれたみたい。この国のお姫様みたいだなんて、私のことを認めてくれたのね。この国の姫として相応しいって。すぐにでも王宮に迎え入れたいってことでしょう?」
私は嬉しくなって鏡の前で自分の顔を見ながら笑った。
嬉しくて嬉しくて仕方が無い。
だって、この国の女性の頂点たる王妃様に認めてもらえたのだ。この国のお姫様だって。
それって私がとっても可愛くて、綺麗で、お姫様として相応しいってことよね。つまり、私がルーンファクト様の妃に相応しいってことよね。王妃様はお姉様じゃなくて私を必要としてくれている。
だから、お父様とお母様に王妃様に認められたってことを伝えたの。でも、お父様とお母様は喜んでくれなかった。
どうしてかわからないけれど、顔色を曇らせてしまった。そして何度も私に聞くの。
「それは本当のことなの?」って。
私が嘘をつくわけないのに。
私が嘘をついたことなんて一度もないのに。
どうして、そんなことを言うのかしら?お姉様がお父様とお母様に嘘でもついたのかしら?お姉様がルーンファクト様との婚約を破棄されたから、私にやつあたりしているのかしら?
でも、お姉様はルーンファクト様の婚約者に相応しくないんだもの。仕方がないことでしょう。
お父様もお母様も私のように貴族や平民のお手本となれるような女性こそがルーンファクト様の婚約者に相応しいと言っていたもの。それって、私のことでしょ。
お姉様と比べたら私は全てにおいて秀でているもの。
お姉様は私のように愛らしくないし。お姉様は綺麗だけど、私の方がもっと綺麗だし、スタイルだって私の方が良いわ。
性格だって、お姉様はオバサンっぽいけど私はお姫様みたいだもの。
服装だって、可愛らしく着飾るのを忘れていないわ。流行に敏感なの。トレンドは必ず取り入れているのよ。アクセサリーだって有名デザイナーのものを買っているわ。皆の憧れのなのよ。
お父様もお母様も私が服やアクセサリーを購入するときに「身の丈に合ったものを選びなさい。」「良く考えてから物を買いなさい。」って言ってくるから、ちゃんとに私に相応しい最高級品を購入しているの。
お姉様は違うわ。いつも買うのは最低限のアクセサリー。値段だってそんなに高いものは買わないわ。侯爵家に相応しい買い物じゃないと思うのよね。
侯爵家の人間なのだから、どんなときも一流のものを、最高級のものを身につけなければいけないのに、お姉様はそんなこともわかっていない。
なのに、なぜかお父様もお母様も最近私に笑いかけてくれなくなったの。
最近、お父様の視線もお母様の視線もどこか冷めている。
なぁぜ?
私は侯爵家のお姫様っぽく生活しているはずよ。それに、王妃様にも認められたのよ。
だから、お父様、お母様。もっと喜んでくれていいのよ?どうして、喜んでくれないの?
どうして?
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