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そういう設定……?
しおりを挟む「アルフォネア嬢。久しぶりだね。失礼だが、私は昨日アルフォネア嬢にはお会いしていないはずだよ?」
私たちの会話に割り込んできたアルフォネアに、嫌な顔一つせずにこやかな笑みを浮かべてルーンファクト様は言った。
アルフォネアはルーンファクト様の言葉に驚いた様子をみせた。
それもそうだろう。昨日アルフォネアが会って愛を交わしていたのはルーンファクト様によく似たそっくりさんなのだから。
ルーンファクト様はしっかりとアルフォネアに昨日会ったのは自分ではないと告げた。
「まあ!そうでしたのね。そうですわよね。私ったら勘違いをしてしまいましたわ。昨日、私はルーンファクト様とはお会いしていない。そういう設定ですのね。」
……会っていない設定?
なんだか、アルフォネアの言うことは良くわからないことが多い。
「……設定、とは?私は昨日は城から一歩も出ていないよ。」
「ええ。ええ。わかりましたわ。そのとおりですわね。昨日はルーンファクト様はずっとお城にいらっしゃった。お姉さま。ルーンファクト様は昨日はずっとお城にいらっしゃったのですわ。ふふっ。」
ルーンファクト様は困惑した表情を浮かべる。
アルフォネアの頭の中はどうなっているのだろうか。
「ふふっ。私と愛を交わしたのはまだ二人だけの秘密ってことね。ルーンファクト様ってば可愛らしいところもおありなのね。」
ルーンファクト様にも私にも聞こえないほど小さな小さな声でアルフォネアはそう呟いた。
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