上 下
509 / 584
五章

5ー16

しおりを挟む
 

マコトさんが転移の魔法を使用して魔王城に来た。そうして、マーニャたちの姿を見て驚いて目を丸くした。

曰く、いくら不老不死の猫様であろうとも、子猫の姿のまま成長が止まることはまずあり得ないと。

『マーニャはマーニャなのー。』

『クーニャもクーニャなのー。だからミルクちょうだいなのー。』

『ボーニャもボーニャなのー。マコト変なこと言わないでなのー。』

「そ、そうですよ。マコトさん。マーニャたちがおかしいわけないじゃないですかっ。」

でも、マーニャたちは元気いっぱいだ。

これが異常なことのはずがない。

私はそうマコトさんに告げた。

「そ、そうですね。相変わらず元気そうですね。でも、前例がありません。マーニャたちを猫様専属のお医者様に見せてみませんか?異常があってマーニャたちが苦しむようなことがあったらと思うと・・・。」

「猫様専属のお医者様がいらっしゃるんですかっ!?まったくもって知りませんでした。それならば、是非、マーニャたちの健康診断をしてもらいたいです。」

『健康診断ってなにー?』

『それってミルクより美味しいのー?』

『それって面白いのー?』

健康診断がなんのことなのだかわからないマーニャたちは頭上にハテナマークをまき散らしている。

健康診断というものがなんだかわからなくて、きょとんとしているマーニャたちはとても可愛い。

いや、通常時もとても可愛いんだけどね。

今まで健康診断なんて縁もゆかりもなかったもんね。仕方がない。

「もう生まれてから15年も経っちゃってるので、今更感はありますけどね。」

マコトさんが苦笑しながら告げた。

「そうですね。でも、いつまで経っても子猫のままって言うのも気になるし・・・。」

確かに今更感はある。

15年病気も怪我もせず健康体そのものだったんだから本当に今更だ。

ただ、マーニャたちの姿が成猫の姿ではなくて子猫の姿のままっていうのはとても気になってしまう。

なにか、悪いことではないといいのだけれども。

それを判定するためにもお医者様に一度見てもらいたいところだ。

「それは、私もとても気になっているよ。王都に猫様専属のお医者様がいるから今日にでも行ってみるかい?」

「ええ。お願いします。」

何故か、プーちゃんを探すことは忘れてマーニャたちの健康診断に行くことになった。

「では、転移しますので私の側に集まってください。」

『はーいなのー。』

『ラジャーなのー。』

『ミルクなのー。』

「はーい。王都は初めてだから楽しみだわ。」

「準備万端ですのでお願いします。」

私たちはマコトさんの声に反応して、マコトさんの側に集まる。そうして離れないように互いに手を取り合った。

こうして、私たちは王都にあるマコトさんの家に転移をしたのだった。

って、あれ?

なんか返事が一つ多かったような・・・。気のせいだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

しおりを挟む
感想 829

あなたにおすすめの小説

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

処理中です...