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五章
5ー3
しおりを挟む「むぅー。マーたちはマユにあまあまにゃの。」
ホンニャンはそう言ってぷくぅーっと頬を膨らませた。
やばい。
あの頬をツンツンして空気を抜きたい。
「マーたちは元魔王にゃんだから、マユよりえらいにょよ。」
うぅ。ところどころ呂律が回っていないのが可愛い。
ホンニャンは私に対して抗議しているのだろうけど、その見た目の可愛さと下っ足らずさが、とっても可愛くて思わず頬が緩んでしまうのが押さえられない。
「むぅー。マユってば、にゃんで笑ってりゅのよぉー。」
「それは魔王様が可愛いからですよ。」
にこにこにこにこ。
ダメだ。ホンニャンが可愛すぎてにやけるのが抑えきれない。
「むぅー!!ホンニャンは魔王にゃの!魔王はかあいいじゃなくてかっこいいにゃの!」
「そうですね。」
ダメだ。本当に、ホンニャンは可愛い。
相槌を打ちながらも、私はにやけてしまう。
『マユー。ホンニャンばっかり構ってないでマーニャも構うの!』
『ボーニャも構ってなの。』
『クーニャはミルクが欲しいの。』
可愛いホンニャンの頭を撫でたいのを我慢していると、マーニャたちが自分たちも構って欲しいと訴えかけてきた。
ホンニャンの頭を撫でると、タイチャンが怖いが、マーニャたちの頭を撫でてもタイチャンは何も言わないだろう。
可愛い甘えた声を出すマーニャたちの頭を順々に撫でていく。
手のひらに当たるマーニャたちのすべすべの髪が気持ちいい。
「むぅー!!」
マーニャたちの頭をなでなでしていると目の前から期限の悪いホンニャンの唸り声が聞こえてきた。
どうしたのだろうか?
ホンニャンもマーニャたちを撫でたかったのかな・・・?
「魔王様もマーニャたちを撫でますか?」
ホンニャンもマーニャたちを撫でたいから機嫌が悪いのではないかと思い、ホンニャンに声をかける。
すると、ホンニャンはぷくぅーーーっと頬を膨らませて私を睨んできた。
睨んできてもホンニャンは可愛いからしょうがない。
「ちがうにょーーーーっ!!ホンニャンも撫でてにゃのぉーーーっ!!」
「へ?」
ホンニャンがむくれていた理由がとっても可愛かった。
まさか、ホンニャンも撫でて欲しかったとは。
でも、ホンニャンに触るのはタイチャンに禁止されてるしなぁ。
私は、そっとホンニャンからタイチャンに視線を向ける。
「うをっ・・・。」
すると、タイチャンは私のことをギッと睨んでいた。
やっぱ、ホンニャンを撫でるなってことか・・・。
「申し訳ございません。魔王様。私はタイチャンに魔王様を触ることを禁止されているのです。」
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