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四章
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しおりを挟む元魔王様にビール味の化粧水を飲ませると心なしか元魔王様の呼吸が落ち着いたような気がした。
しかも、先ほどまで頬が真っ青だったのに、今見ると赤みを帯びているような気がする。
アルコールで身体が火照ってきているのだろうか。
「お酒、持ってきましたよっ!!ついでに女王様が家の前でうろうろしていたので引っ張ってきましたっ!!」
と、そこにお酒を調達しに行っていたマコトさんが、右手にお酒、左手に女王様を手にして帰って来た。
「あ、ありがとうございます。」
女王様は体中の力を抜きマコトさんに身体を預け切っている。
意識もないのか何も言わずにその場に倒れこみそうだったので、慌てて椅子を用意した。
そこにマコトさんが女王様を腰かけさせる。
女王様は何も言わずにその椅子に腰かけた。というより椅子にもたれ掛かった。
「あの・・・女王様はどうしたんですか?」
あまりの様子に思わずマコトさんに問いかける。
ただ、家の前をうろうろしていただけで気を失うようなことはないはずだ。
それとも自分の母親が危篤状態ということでショックを受けて気を失っているのだろうか。
それだったら朝の時点で気を失っていてもよさそうなものだけれども。
「ああ。どうやら焦っていて落ち着かない様子でしたので、首の後ろをトンっと叩いたら気絶しちゃいました。あはは。」あはは。って・・・。
マコトさんはにっこりと笑いながらそう告げた。
しかし、マコトさん強いな。
いくら女王様が自分の母親が死にそうだから狼狽しているとしてもその女王様に一発食らわせられることができるのだから。
普通の人だと無理だ。
まず女王様のオーラにやられる。
オーラにやられなくとも女王様は随分と腕っぷしが強いのだ。護衛の者たちを負かせるほどに。
その女王様を気絶させることができるだなんて、マコトさん強すぎ。
「マオマオ様は寝てしまわれたのですか?心なしか顔色も先ほどより良さそうですね。」
「ええ。ビールを飲んだらアルコールが回ったのか容体が安定しました。」
「あれ?お酒あったんですか?」
「はい。すっかり頭から飛んでたんですけど、実はビール味の化粧水がありまして・・・。それを試しに飲ませてみました。マコトさんにはせっかくお酒を買いに行ってもらったのにすみません。」
あはは。と笑いながらマコトさんに告げる。
せっかくマコトさんにはお酒を買いに行ってもらったのに、私が持っていたなんてまるで笑い話だ。
というか笑い話にしてほしい。
するとマコトさんは苦笑した。
その笑い方から怒ってはいないように見受けられる。
「そうですか。それよりビール味の化粧水なんて初めて聞きました。マユさんが作成した化粧水ですか?」
「ええ。そうなんです。偶然できた化粧水なんですけど、効果が効果だから売ることができな・・・く・・・てぇ・・・?あ、あれ・・・?」
そうだよ。あの化粧水とんでもない効果があったじゃん。
だから売らずに手元にとっておいたのだ。
それでチビチビ飲んでたんだから。
「どのような効果なんですか?マユさんの様子を見るにあまり良さそうな効果ではないような気がしますが?マオマオ様に飲ませても良かった代物なんですか?」
マコトさんは元魔王様のことを心配してか、それとも化粧水の効果に興味があるのかやけにまくし立ててきた。
「いや・・・あの・・・。効果は、ですねぇ・・・。寿命を1年延ばしますです。はい。」
「は?」
「え?」
『マユっ!?それはっ!!』
「では、お母様は!!」
タイチャンとマコトさんが化粧水の効果に思わずと言ったように口をパカッと開ける。
対するプーちゃんと女王様は化粧水の効果に目を輝かせた。
って、女王様ってばいつの間に気が付いたのだろか。
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