婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

四章

４ー８５

 

 

よくよく考えるとプーちゃんと魔王様が相思相愛ならば、女王様の父親はプーちゃんってことになるのだろうか？

だって、プーちゃんなんだか独占欲強そうだし。

魔王様がプーちゃん以外の誰かに心変わりしたら激怒しそうだし。

そう考えると、女王様の父親はプーちゃんということになるのだろうか。

でも・・・。あ、あれ？

そうなると、プーちゃんはレコンティーニ王国の国王様ということだろうか？

あれ？

あー。もう。よくわからなくなってきた。

『むっ。そうじゃのぉ。妾もその辺は詳しくはわからぬ。パールバティーが産まれた時、妾は卵の中じゃったからのぉ。マオマオかプーちゃんに聞いてみると良いのじゃ。』

「そうなんだ・・・。」

どうやらタマちゃんは知らないようだ。

じゃあ、女王様は知っているのだろうか。

自分の母親が魔王だということは知っていたんだもんね。

父親のことだって知っているよね？

だって、女王様の親だっているはずだし。

ん？そうなると、レコンティーニ王国で言われている初代女王様って誰になるのだろうか。

疑問点ばかりが頭の中をよぎっていく。

「あの、女王様。つかぬことをお伺いいたしますが、女王様は実の御父上のことをご存知でしょうか？」

気になるものは気になる。

不躾かと思いつつも女王様に訊ねてみる。

「・・・私に父親はいない。まさか、始祖竜が私の父なのか・・・？」

・・・うん。

女王様も自分の父親のことを知らないようだ。

って、一国の女王様の系図がわからないってかなり由々しき事態なのではないだろうか。

これでいいのか、レコンティーニ王国は・・・。

「あの・・・。レコンティーニ王国の女王様は世襲制ではないのですか？」

もしかして、レコンティーニ王国は世襲制ではないのだろうか。

だって、女王様の父親は不明だし、母親は魔王だし。

これ、世襲制だったらかなり大問題だよね。

「世襲制ではない。歴代の女王は皆、当時国の中で一番魔力が強い娘が選ばれておる。まあ、魔力以上に猫様を愛していることが条件だが。」

「はあ。なるほど。」

どうやらレコンティーニ王国の女王は世襲制ではないらしい。

まあ、魔王様の娘である女王様なら魔力は文句なしだしね。

それにしても国の中でってことは女王様はレコンティーニ王国の産まれということになるのだろうか。

でも魔王様はレコンティーニ王国の人ではないし・・・。

疑問に思っているとそのことに女王様が気づいたようですぐに補足してくれた。

「ああ。魔王様がお忍びでレコンティーニ王国に来ている時に、産気づいたのだ。だが、魔族だということは言えないし、そのまま旅人として私を出産したのだ。そして、私が魔力を多く持っていることが発覚した。それで、魔王様は私が成人するまでレコンティーニ王国にとどまることになった。そうして、私が女王に選ばれると魔王様はレコンティーニ王国を離れ、自分の国に帰ったのだ。」

「な、なるほど・・・。」

っていうことは女王様はもしかして、次期魔王でもあったのだろうか。

うーん。なんだか複雑すぎて私にはよくわかんないや。