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四章

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「何を言っておるのだ?創成の女神がいない状態など、国王を失った国と同じだ。国王を失った国はどうなる?指導者がおらぬのだ。治安は地に落ち、人々は日々の暮らしさえままならぬだろう。創成の女神が不在というのはこれが世界規模でおこるのだ。世界中が混乱に陥るのだ。」

女王様は何を言っているのかわからないと言った表情でそう告げた。

どうやらこの世界は女神(?)様に頼りすぎているきらいがある。

そう感じた。

日本では神々を祀ってはいるが、神頼みばかりをしているわけではない。

それでも、皆なんとか生活をしていけている。

治安だってそれほど悪いわけでもない。

では、神は不要かと言われると心の拠り所として必要だということになるだろう。

それでも、この世界ほど女神(?)様には依存していないように思える。

「女神(?)様は深い眠りについてしまったのです。女神(?)ばかりに頼らず自立の道を探ってもよいのではないかと思います。私がいた国では国王がいない国も多々ありました。そのような国々では指導者を民から選びます。選ばれた民は指定された期間の間国を治めます。民から選ばれた指導者が相応しくなかったと民から判断されれば新しい指導者が民の手によって選ばれます。そうやって生活してきました。この世界も女神(?)様が不在ならば、その間、各国の王や統治者たちが代わりを務めればよいではないですか。一人でなくともいい。複数人集まって話し合いをおこなえばいいではないですか。」

あまりに女神(?)様にばかりに頼っているのは女神(?)様も大変だと思う。

一人にばかり面倒ごとを全て押し付けるのはどうかと思ったのだ。

「・・・国と国とが手と手を取り合えというのか?獣人やエルフやドワーフ、魔族などもいるのだぞ?それらとも手と手を取り合えと申すのか?」

女王様はしばらく思案したあとにそう言った。

そう言えば・・・この世界には人外の種族も多数いるのだった。忘れてた。

獣人もエルフもドワーフも魔族も人間より強そうだし、そんな強い種族と手を取り合うのが難しいだろと女王様は言う。

「人とは違う種族は脅威でしょうか?」

みんな生きているのだ。

個々の能力に差異はあれども、生きているということに関してはみんな同じなのだ。

誰か一人が得をしようとすれば、一方が損をする。

でも、みんなで力を合わせて生きて行けば損をする者はでてこないはずなのだ。

理想論だけれども。

「こんなことは言いたくはないが、脅威だ。あいつらは知恵も力もある。それに付随する我らにはない高い能力がある。脅威以外の何者でもないだろう。」

 

 

 

 

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