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四章
4ー25
しおりを挟む「マーニャ、クーニャ、ボーニャちょっと出ておいで。」
『なぁに?』
『なんなのぉ?』
『どうしたのぉ?』
タマちゃんの空間に向かって声をかければ、すぐにマーニャたちが顔を出してきた。
マーニャたちを見て、ぱああああああああっ!!と面白いほど顔色が明るくなるビーちゃん。
ほんと、猫様のことが好きらしい。
「ビーちゃん、いい?優しくだからね。優しくだよ!」
ビーちゃんに念を押すと、ビーちゃんがコクリと大きく何度も頷いた。
どうやらわかってくれたようだ。
ビーちゃんはゆっくりとマーニャたちに近づく。
マーニャたちはビーちゃんと触れ合うのは初めてだからか身体を固くして、私にしがみつく。
それでもマーニャたちはビーちゃんの方をじっと見つめていた。
少しずつビーちゃんとマーニャたちの距離が近くなる。
ビーちゃんが手を伸ばせばマーニャたちに触れられるそんな距離まで近づいた。
そうして、ビーちゃんがゆっくりと手を伸ばす・・・。
『あたしはマーニャなの。あなたはだぁれ?』
触れる直前にマーニャがビーちゃんに問いかける。
ビーちゃんにもマーニャの声が聞こえたらしい。
マーニャに触れようとしていた手がビクッと動いた。
「僕はビーちゃん。正式名称はよく知らない。みんなビーちゃんって僕のことを呼ぶの。」
『ふぅん。ビーちゃん。触るのはいいけど痛くしないでよね?』
マーニャはそう言って、自ら頭をビーちゃんの手に擦り付けた。
とたんにビーちゃんが笑顔になる。
「あったかい。ふわふわ・・・。」
嬉しそうに微笑むビーちゃんに私も嬉しくなる。
それを見ていたクーニャとボーニャもマーニャに続く。
『あたしはクーニャなの!よろしくなの!』
『あたしはボーニャなの!ビーちゃんよろしくなの!』
「うん!よろしく!よろしく!!」
ビーちゃんは嬉しそうにボーニャとクーニャの頭も優しく撫でていた。
それを見てホッと一息つく私。
大丈夫だろうとは思っていたけれども、もしかするとマーニャたちに危害が加えられてしまうかもしれないと思うとちょっと怖かったのだ。
まあ、プーちゃんとタマちゃんがついているからそんなことにはならないだろうと思っていたけれども。
『うむ。大丈夫そうだな。ビーちゃんよいか。相手に好かれたいと思ったら優しく接するのだ。』
『そうじゃ。優しく接すればよほど相性が悪い相手でなければ空いてくれるのじゃ。』
タマちゃん。
いつ空間から出てきたのだろうか。
というか、タマちゃんもプーちゃんもビーちゃんのことが苦手だったんじゃないのだろうか。
もう克服したってことかな?
それならばいいけど。
さて、ビーちゃんとマーニャたちの会合はうまくいった。
あとは、エーちゃんとビーちゃんの会合だね。
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