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四章
4ー11
しおりを挟むそうだよ。
キャティーニャ村のダンジョンの最下層のボスってプーちゃんじゃんか。
私たちはプーちゃんの涙が染み込んだ畑で作ったトマトを食べたことがある。
きっとあのトマトだ。
ぜったいそうだよ。
「マリア、私たちトマトを食べたじゃない。もしかして、あれが原因かも・・・。」
「あっ!そうね!そうかもしれないわ!」
「・・・トマト?トマトが原因などとは初めて聞いたが?」
私とマリアは原因がわかってホッとしたが、ガー様は首を傾げる。
トマトが原因というのがよくわかっていないらしい。
まあ、普通に考えたらトマトはトマトだからね。
まさか、プーちゃん・・・もとい青竜がトマトを育ててるだなんて誰も思わないだろうし。
私は鞄の中からトマトを取り出した。
「このトマトなんです。」
そうして、ガー様にトマトを差し出す。
ガー様は不思議そうな顔をしながらもトマトを受け取って眺めはじめた。
「なにやら、普通のトマトとは違う強力な魔力を感じるが・・・。」
普通のトマトではないことは分かったようだ。
「私たちはそのトマトを食べたことがあるんです。たぶんそのトマトが原因かと・・・。」
「ふむ。確かにこれだけの魔力がこもっていればあり得るかもしれんな。して、このトマトをどこで手に入れたのだ?」
ふむふむ。と、トマトを眺めていたガー様が不思議そうに尋ねてくる。
まあ、見たことないよね。普通。
「・・・うちの畑で育ったトマトなんです。」
「ほお、その畑に魔力溜まりでもあるのか?いや、でも普通の魔力溜まりではこのトマトはあり得ないな。」
ガー様は難しそうな顔をして考え込んでしまった。
魔力溜まりがなんのことだかよくわからないけれども、普通ではないだろう。
「あー・・・。育てた人というか・・・育てた者に問題がありましてぇ・・・。」
まさかプーちゃんがトマトを育ててるだなんて言っても信じないんだろうなぁ。
「誰が育てたというのだ?」
食い付き気味にガー様が身を乗り出してくる。
まあ、そうだよね。知りたいよね。
「・・・プーちゃんです。」
「・・・はあ?」
「プーちゃんなんです。」
「だから、誰だそれは?」
プーちゃんじゃ通じないか。
「キャティーニャ村のダンジョンの最下層にいた青竜です。」
「はあっ!?なにを言っているんだ君は!?青竜がトマトを育てるだなんて聞いたことがないぞ!!」
そうですよねー。
普通育てませんよねー。でも、プーちゃんは育ててるんですよ。
ガー様は信じられないと言う表情を浮かべる。
その瞳からは私の言うことをまったく信じていないということがうかがえた。
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