婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

葉柚

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三章

3ー47

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ひまわりをどうしようかと悩んでいると、不意に種屋のケララを思い出した。
ミニトマトの苗を買ったお店でマリアと同い年くらいと思われる少女が店番をしているお店だ。
まあ、ミニトマトはプーちゃんの涙と私の「大きくなあれ」発言でミニトマトではなく手のひらサイズのトマトになってしまったが。
ケララなら、ミニトマトの苗を売っていたくらいだし、ひまわりの移植方法も知っているのではないかなぁと思った。
まあ、ひまわりは苗じゃないけどね。
そうと決まれば、ケララに相談しに行ってみよう。

「マーニャ、クーニャ、ボーニャ。私、ケララのところに行ってくるからお留守番よろしくね。」

『わかったのー。』

『ミルク買ってきてなのー。』

『いってらっしゃーいなのー。』

あう。クーニャからミルクの催促が………。ちょうど保管庫のミルクが切れかかってたんだけど、クーニャよく知ってるなぁ。
ミルクについては、細かくチェックしているようだ。

「はいはい。ミルク買ってくるから待っててね。」

『忘れないでねー。』

マーニャたちに見送られて家を出る。あれ?そう言えばプーちゃんいなかったなぁ。そう言えば今日は朝からプーちゃんの姿を見てないなぁ。
どこに行ったのかなぁ。
いつもはマーニャたちのうちの誰かと一緒にいるのに、珍しいこともあるものだ。
でも、まあ、いっか。プーちゃんだし。





「こんにちはー。ケララいる?」

「あら、マユ。買いに来てくれたの?うちから買っていったミニトマトは収穫できたかしら?」

今日も元気な店番のケララが出迎えてくれた。
ミニトマトねぇ。うん。

「あ、収穫できたよ。自分で作ると甘くて美味しいね。」

「でしょ!やっぱり露地栽培は野菜がとっても美味しくなるの。ハウス栽培は、品質が一定するけれども、露地栽培と比べると美味しさが半減するんだよねー。」

ハウス栽培?
はへー。ハウス栽培なるものがあるんだ。どんなものなんだろう。
気になるけど、作った作物は露地栽培の方が美味しいらしいから、うちではハウス栽培をすることはないかな。

「そうなんだ。今日はね、ケララに相談があって来たの。」

「どうしたの?」

ケララは嫌がることもなく親身に相談に乗ってくれそうだ。身を乗り出して私が相談内容を口にするのを待っていてくれる。

「畑に植えたひまわりを鉢に植え替えたいんだけど、どうしたらいいかな?」

「ひまわりを植え替えるの?」

「うん。背丈くらいのひまわりなんだけどね。」

「鉢は用意してあるの?」

「うん。買ってきたわ。」

今は鉢を持ってきてないけどね。
すると、ケララは「ちょっと待っててね。」と言いながら店の奥に引っ込んで行った。
それからすぐに戻ってくる。

「お待たせ!今からマユの家に一緒に行くね!まずはひまわりの状態を見せて欲しいの。」

「あ、うん。そうしてくれると嬉しいな。」

どうやらケララは店番を誰かに代わってもらったようだ。
一緒に私の家に向かうことになった。






「ほえぇぇーーーーーーーーーーっ!?」

うちに来たケララは、ひまわりとトマトを見て驚いて固まってしまっている。
ミニトマトがトマトになっていたことと、ひまわりが刈り取ることが出来ないことに驚いたようである。
固まっていたケララは、しばらくして魂が戻って来たようで、パシンッと両頬を両手で包み込むように叩いた。

「………根も切れないということだから、精霊に力を借りるといいかも。土から根を切らずに掘り出せばいいと思うから土の精霊の力を借りられればいいんだけど。」

「土の精霊?」

ケララの発言にびっくりする。
精霊ってそんなにポンポンそこらにいるものなの?
と言うか、ケララは土の精霊に会ったことがあるのかな?
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