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三章

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「んふふっ♪乳液乳液~♪」

早速採取してきたヌメリン草を使って乳液を作ることにした。

ちなみに、マーニャたちはヌメリン草のぬめぬめ感が気に入ったのか、肉球でふにふにヌメリン草をもみもみしておりました。

ヌメリン草のクッションでも作ってあげようかしら。

錬金釜の中に採取してきた薬草と森の湧き水を入れる。そして、最後にヌメリン草を適当に入れる。

だいたい薬草と同じ量のヌメリン草を入れてみた。

そして、錬金釜の蓋をする。

新しく購入してきた錬金釜は化粧水であれば3時間でできるが、乳液はどのくらい時間がかかるのだろうか。

「とりあえず美味しくできるといいなぁ~。」

ん?

あれ?

また私変なこと言った?

なんだか錬金釜見ていると美味しいものができるようなイメージが頭の中にあるんだよねぇ。

なんでだろう。

あれかな。

錬金釜が学校の給食用の鍋に似ているからかな。

錬金釜をジッと見つめていると【残り4時間58分32秒】と表示されていた。

どうやら乳液を作成するには5時間程かかるようです。

一度練成釜を起動してしまえば、できあがりまで特に手を加える必要がない。

後はひたすら時間まで待つだけだ。

待つだけだと時間がかかるので、ひまわりを植え替えるためのスコップを買いに行くことにした。

今回は、クーニャが一緒だ。

私の肩の上に起用に乗って私の頭に手を置いて微妙なバランスを取っている。

自分で歩いていく気はしないらしい。

歩いている最中は揺れるだように、尻尾をゆったりと揺らしながらご機嫌なクーニャでした。

まあ、時折バランスを崩しているのか、頭と肩に爪が食い込んできたけど。

 

 

「こんにちはー。」

ザックさんの雑貨屋さんについたので店の中に向かって声をかける。

さて、ザックさんは店番しているのだろうか。

「・・・はい。」

ブスっとした表情で、ザックさんが店の奥から姿を表した。

「ぶはっ!!」

『にゃはははははははははっ。』

出てきたザックさんの姿をみて、クーニャと一緒に大爆笑してしまった。

だって、猫耳を隠す為にほっかむりをしているんだもの。しかも、唐草模様!

泥棒にでも行くんですか?って思わず思ってしまった。

というか、端整な顔に唐草模様のほっかむりって全然あってないんだけれども。

アンマッチすぎて笑える。

クーニャなんて、私の肩から転がり落ちて床でゴロゴロと転がっているほどだ。

よっぽどツボだったようだ。

「そんなに笑うな・・・。」

「なんだって、唐草模様なの?」

もっと他の模様だってあっただろうに。

よりによって唐草模様。

なにそのセンス。

「以前、マリアが唐草模様が好きだって言ってたんだ。だから・・・。」

ザックさんから教えられたマリアの好きな柄にまたしても笑いが止まらなくなった。

それって、マリアってば絶対わざと唐草模様が好きだって言ったよね。

絶対、そうだと思う。

だって、マリアが唐草模様の服や小物を身につけているのを見たことないし。

ザックさん何故気付かないんだ。

「まあ、いいや。今日はお客として来ました。スコップがほしいんだけど取り扱いあるかな?」

「スコップか・・・。あるが、うちには普通のスコップしかない。リュリュのところに行けば軽いスコップだったり、自動で穴を掘ってくれるスコップだったりいろんなスコップがあるぞ。」

「へー。スコップにも魔道具があるんだ。」

「ああ。値が張るがな。」

まあ、確かに穴を掘るのも大変だしね。

じゃあ、なんで雑貨屋さんにもスコップが置いてあるんだろう。

魔道具の方が遥かに便利で楽なのに。

「魔道具は高いからな。うちのスコップだと1000ニャールドで買えるが、魔道具であれば10000ニャールドはするだろう。だから、スコップを使う機会が少ない人たちは普通のスコップを買っていくんだよ。」

「へーそうなんだ。」

それもそっか。

普段使わないスコップを高いお金を出して便利なスコップを買ったりしないよね。

例えば都会の庭で草むしりをするのに草刈り機は使わないだろう。せいぜい買っても鎌くらいだろう。

反対に田舎では草むしりするのに手でむしってたら途方もないので草刈り機を買って使用する。

そんな感じかな。

「今後も使うかわからないから、普通のスコップでいいや。種類は一種類?」

「わかった。形は一緒だが、色や模様が違うんだ。今、持ってくる。」

そう言うなり、ザックさんは店の奥に品物を取りに行った。

アンナちゃんだとヒュンッと魔法で取り寄せるのになぁ。

ザックさんが持ってきてくれたのは実に色とりどりなスコップでした。

赤や黄色、ピンク、黒、青、紫、花柄、水玉模様に唐草模様まで・・・。ほかにもいろいろな模様がある。

よく取り揃えたよなぁ。こんなにと思うほどだ。

どれも形状は同じなので手に持った感じもまったく同じである。

やっぱり見た目か。見た目なのか。

「これにするわ。」

どれも同じだったが一番シンプルな銀色のスコップを手にとった。

シンプル・イズ・ベストっていうしね。

飽きのこない色を選んだ。

 

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