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三章

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「まあ、盗んでしまったからには仕方ない。盗んでしまった作物の対価を支払ってもらうことにしようかのぉ。初犯だしの。」

村長さんは髭を撫でながら、のんびりと裕太と優花さんに告げた。

まあ、妥当なところだろう。

初犯だし、異世界からいきなり知らない世界にほおりだされた訳だしね。

でも、これで改心しなかったらもっと重い罰になるだろうけど。

トマト数個の対価じゃすぐに解決して開放になっちゃうかな。

「ちっ。まあ、仕方ないか。トマト2つ食べたから100円くらいか?」

「私は1個だから50円くらいかしら?」

トマト数個だから金額的にはとても低いよね。

それだけだったらこの二人にもすぐに払えるだろう。

罰という罰にはならないね。

「円?というのがどのくらいかわからないけれど、マユの作ったトマトよ?そんなに安いはずないじゃない。」

マリアが安心している二人に向かって言った。

「はあ?たかがトマトでしょ?1個50円でも高いくらいじゃないの?」

優花の言うとおりである。

ただのトマトだしね。

ん?トマト・・・?

「1個1万ニャールドはくだらないと思うけど?」

「1万ニャールド!?マリアそれは流石に高すぎだと思うよ。だって、トマトだよ!!」

1万ニャールドと言ったら日本円にして約1万円くらいだ。

トマト1個がそんなにするわけないじゃない。

「1万ニャールドって100円くらいか?」

裕太が惚けたようなことを言っている。

そうだよね、こちらの通貨がどのくらいかわからないものね。

「1万ニャールドは日本円にすると1万円くらいよ。」

「はあ!?」

「何言ってるの!?トマトがそんなに高いわけがないじゃない!ぼったくりもいいところだわ。」

うん。私もぼったくり価格だと思うよ。

村長さんも驚いたような顔をしているし。

「そうじゃのぉ。トマトだからのぉ。マリアよ、流石にそれはふっかけすぎじゃ。」

村長さんもそう言っているし。

トマトがそんなに高いわけないじゃない。

「なら、鑑定してもらうわ!」

「って、マリアダメ!!あのトマトを鑑定してもらうのは・・・。」

あんな危険極まりない効果が付与されているトマト、鑑定してもらった日には・・・。

あっ。そうだった。

あのトマトプーちゃんの所為であり得ない効果が付与されているんだった。

思わず冷や汗がでてしまう。

「一般的なトマトの価格でいいから。」

「よくないわ!そんな特別扱い!!」

おおっと。マリアが憤慨している。

持ち主の私がいいって言っているんだけどなぁ。

マリアはどこからともなくトマトを取り出した。

そして、転送ボックスの中にほおりこむと、そのまま転送ボックスの扉を閉じてしまった。

「あっちゃー。」

このトマト世に出さないようにしようって言ってたのに。

マリアったら頭に血が上っちゃったのね。まあ、仕方ないか。

なるようになるよね。きっと。

『へろ~。あなたさぁ~またなんてものを~送ってくれたのかしらぁ~!またぁ~オークションにぃ~なるわよぉ~?』

すぐさま聞こえてきた鑑定士さんの声。

いつもの人でよかった。

「オークションにはしないわ。いくらになるかしら?」

『こんなぁ~効果がぁ~付与されているトマトを~普通のぉ~価格でぇ~出せるわけがぁ~ないじゃないのぉ~。オークションでもぉ~1つ10万ニャールドはぁ~あっという間にぃ~つくと思うわよぉ~。』

 

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