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二章
2ー63
しおりを挟む異世界転移の定番、女神様からのお願いかぁ。
でも、どうやって女神様と話をすればいいのだろうか。
まさか、私の鞄の中に入っているスマホでとか言わないよね。
無理だよ、それ。
だって、キャティーニャ村の家に置いてきているもの。
この世界じゃスマホの電波入ってなかったしね。
「えっと、どうやって女神様と話をすればいいのかな?」
これは、きっとマーニャたちが知っているだろう。
そう思って尋ねてみる。
「んーとねぇー。マユ泣くのー!」
「こりすが来るのー!!」
「落ち葉にくるまれて山に行くのー!!」
「えっ!?なにそれ・・・。」
マーニャたちの言っている意味がよくわからない。
でも、どこかで聞いたことがあるような内容だなぁ。
ふむむと考えこむ。
そして思い出す。
とある有名な童謡の幻の3番の歌詞だってことを。
って、何故3番!?
1番と2番ははっしょっていいのだろうか。
いや、でも1番と2番も実行しないといけないのはつらいけど。
コロコロ転がって池に嵌れとかドジョウと挨拶しなきゃいけないとか。
そのあとドジョウと遊ぶんでしょう。
だいたい、この丘には見渡す限り池がないしね。
って言っても泣けと言われても理由がないと泣けないのよねぇ。
演技なんてできないし・・・。
「泣くのー!」
「泣いてなのー!」
「泣かなきゃダメなのー!」
おおっと。
マーニャ達から泣けコールが。
泣けと言われても理由がないと以外と泣くのって大変なんだよ。
ああ、なんだかマーニャたちの言うことも聞けないなんてなんだか涙が出てきそうだよ。
泣くなんて簡単なお願いも叶えることができないなんて・・・。
って、あれ?
なんだか涙が溢れてくる。
「マユ、いいのー。」
「その調子なのー。」
「もっと泣くのー。」
マーニャたちも応援してくれている。
でも、泣けと応援されるのも、なんだか微妙な感じではあるが。
マーニャたちの応援もあってか、何故だか涙が次から次へと溢れてくる。
すると、女神の木から手のひらサイズのこりすが降りてきた。
って、ちょっとまて!
こんな小さなこりすが私を山に連れて行くのっ!?
無理でしょ。それ。絶対に無理だって。
それに、ここには落ち葉なんてないし。
しかも、このこりすには初めてあったんだから仲良しでもなんでもないんだよ。
もしかして、女神様がこりすと仲良しってこと?
って!
こりすがなんだかすごい量の落ち葉生み出しているし。
こりすの周りにどこからともなく大小さまざまな落ち葉が集まってきた。
そして、人ほどもある落ち葉が集まると、その落ち葉が一斉に私に向かって飛んでくる。
「えっ!?ちょっとまてーーーっ!!・・・わっぷっ。」
私の叫びもむなしく、あっという間に落ち葉に包まれてしまった。
そして感じる浮遊感。
目は落ち葉でふさがれているので全く見えない。
そんな状況で行き成り浮き上がることは恐怖でしかない。
声をだしたくても、口も落ち葉で塞がれている。
耳も落ち葉で塞がれているから何も聞こえない。
もう、恐怖でしかない。
ガタガタと震えだす身体が急にスピードを上げて運ばれていく。
まるで真っ暗闇の中ジェットコースターに乗っているかのようだ。
わたし、このままどうなるんだろう。
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