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二章
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しおりを挟む「さて、マユ。そろそろソフィアさんのところに行かなくっちゃね。ソフィアさんが首を長くして待ってるよ?」
「あ、そうだったね!化粧水作ってる途中だったね。」
オークションがあったり、プーちゃんのトマトがあったりして忘れてたけど、そう言えばソフィアさんの錬金釜を借りて化粧水を作ってる途中だったんだ。
うっかりしてた。
予定外に、家に戻ってきたから、だいぶ遅くなってしまった。
「マーニャ、クーニャ、ボーニャ。ソフィアさんのところに行くよー。バスケットの中に入ってくれるかな?」
鶏と戯れているクーニャ、草むらの中で跳び跳ねているマーニャ、ヒマワリの下で寝ているボーニャに声をかける。
ん?
あれ?
ヒマワリがもう咲きそうなんだけど、ヒマワリってそんなに早く花が咲くんだっけ?
まだ種を植えてから二週間も経っていない気がするんだけど。
まあ、いいや。
今はそれよりソフィアさんのところに行かなくては。
いちいち畑のヒマワリに気をとられていたら、時間がいくらあっても足りないし。
私の背丈ほどのヒマワリを見てそう思った。
「あれ?マーニャ?クーニャ?ボーニャ?」
いつもは呼べば飛んで来るのに今日は来ない。それぞれ思い思いの行動をとったままだ。
いったいどうしたのだろうか?
今日は普通の化粧水にマーニャたちの力を注いでもらう検証をしてみようと思っていたのに。
マーニャたちが手伝ってくれないと検証ができない。
「マユ、諦めてちょうだい。今日はマーニャ様たちは家にいたいそうよ。」
「えっ?」
「…どうやら、まだ化粧水のことで機嫌があまりよくないみたい。少しほおっておいた方がいいかも。あとで、美味しいご飯を買ってきましょう。」
「あ、なるほど。それならしようがないね。よっぽど、嫌だったんだね、あの化粧水。」
マリアと私はプーちゃんにお留守番をお願いして、ソフィアさんのところに向かうことにした。
ソフィアさんは案の定待っていた。
「おかえりなさい。なかなか来ないからどうしたのかと思っていたのよ?」
「すみません。いろいろありまして………。」
トマトに魔力が込められていたことは言えないから誤魔化す。
「そう。飲む化粧水は売れたのしら?」
ああ、そうだった。ソフィアさんには錬金釜を借りてるから、オークションの結果を教える約束だった。
「ええ。一本2220ニャールドで売れました。」
「まあ!普通の化粧水の倍以上ね!高値がついてよかったわね。」
「鑑定士さんは飲める化粧水の効果が口コミで広がれば、この10倍は値段がつくだろうって言ってました。」
「まあ!それは、すごいじゃないですかっ!」
そうだよね。
普通の化粧水は1000ニャールドだもんね。今回の化粧水だって普通の化粧水の二倍の価格で売れてるんだから、高値になるのか。
元手はほぼただだしね。
「化粧水が出来上がったかどうか見てもいいですか?」
「あ、引き止めちゃってごめんなさい。ゆっくり確認してみてね。」
私達は、ソフィアさんと別れ、工房に足を踏み入れた。
化粧水をセットした釜を見る。
錬金釜の蓋に手をあてると、光がもれた。
どうやら、無事にできあがっているようだ。
さて、マーニャたちの力が加わらない飲める化粧水はいったいどんなものが出来上がっているかな?
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