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二章

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マリアがスキルが生えただなんていうから、私は自分のステータスを確認してみた。 

「おぉう・・・。確かに美容薬調合のスキルがあるよ。レベル1だけど」

「やっぱり。マユだからそうだと思った」

マリアは「はぁ」とため息をついた。
ため息つかなくてもいいと思うんだけど。
しかし、こんなに簡単にスキルが増えるものなのだろうか。

「普通はこんなにパカパカとスキルが増えたりしないわよ」

すると、私の思考を読んだかのようにマリアが答えてきた。
そういえば、マリアは人の考えていることが読めるんだった。
今さらながらに思い出す。

『それよりぃ~、オークションに出品するならぁ~王都でやるオークション会場でぇ~見学できたりするんだけどぉ~行くぅ~?』

おっと、そう言えばまだ鑑定士さんとお話中だった。
自分の作った化粧水がオークションにかけられるのを見ることができるらしい。
お金持ちの貴族や商人が参加するのでそれは盛り上がるらしい。
見学してみたい気もする。
でも・・・。

「見学したいけど、王都までの旅費がないので遠慮しておきます」

ボーニャと作った化粧水だからオークションの様子をみたいけど、そもそも旅費がないので無理だ。
片道5万ニャールドはかかるということだし。王都で宿泊するようならさらにお金がかさむし。

『そぉ~?まあ、旅費も宿泊費も出品者持ちだからねぇ~。んじゃあ~映像と音声の中継はどうするぅ~?これは無料だよぉ~』

映像と音声?
テレビみたいなものかな?

「映像と音声って?」

「ああ、てれびっていう魔道具があるのよ。それを使ってオークションの状況を見ることができるの」

「テレビ!?」

こっちの世界でもテレビってあるんだ。
私の家にはないみたいだけど。
もしかして、テレビってマコトさんが作成した魔道具なのかしら?

「そう、テレビ。この村には村長の家かリュリュの家くらいにしかないわね。でも、記念に見せてもらえるか交渉してみましょうか」

マリアはそう言って、黙り混んでしまった。どうやら念話で誰かと話しているようだ。
時々、口が小さく動いている。
しばらくして、念話が終了したようだ。

「村長が見せてくれるってさ」

と教えてくれた。
どうやら村長と話していたようだ。

『じゃあ~中継見るってことでいい~?』

「ええ。見たいわ。いつやるの?」

『ん~二日後ぉ~。お昼からだよぉ~。村長さんのテレビからアクセスできるようにしておくねぇ~』

二日後、村長さんの家でオークションの中継を見ることになった。
折角だから、マーニャとボーニャとクーニャも村長さんの家に連れていこう。
このオークションで一波乱起きることになるのだけれども、今はまだ私は知るよしもなかった。

「さて、マユ。化粧水がどうして飲めるようになったか検証してみない?」

マリアがすごくいい笑顔をしている。これは、断れない雰囲気だ。
やはりマリアも女の子ってことで、化粧水には興味があるのかな?

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