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一章
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しおりを挟む早く食材揃えてご飯作るようにしないと、収入がないのに資金が減っていくばかりだわ。
でも、食材ってどこで購入するのかな?スーパーみたいなお店があったりするのかしら?
それとも下町の商店街みたいに、八百屋やお肉屋さん、お魚屋さんが並んでいるのかしら?
それとも市が開かれるのかしら?
マリアに聞いてみなくっちゃね。
「マリア、食材を買いたいんだけど、どこで売っているのかしら?」
本日のお薦めプレートを美味しそうに食べているマリアにたずねる。
マリアは、フォークを持ったまま顔をあげてこちらを見た。
もぐもぐと口に入っていたスパゲッティを飲み込むと、
「あら?まだ食材買ったことなかったんだっけ?」
不思議な顔をされた。
「うん。残念ながら。食堂で食べたりアンさんのパンですませてしまったりで、食材を買ったことないの。お薦めの場所あったら教えてくれる?」
まさか、自給自足で食材が売っているお店がないなんて言わないよね?
ちょっと不安になる。
自給自足だなんて言われたらうちにはまだトマトと卵しか収穫できる食材がない。しかも、トマトはプーちゃんが採りにくるだろう。そうすると卵しかない。
「基本的には自給自足よ?でも、週に一回広場で市が開かれるの。自給自足でまかなえない場合や、自分で育てた野菜や家畜以外が欲しい場合は市で調達するの」
やっぱり市なのか。
今日は市がある日だろうか?
「週に一回しか市は開かれないの?」
「ええ。ほら、保管庫が普及しているでしょ?保管庫に入れておけば食材は劣化しないから、みんな買いだめしておくのよ」
「そっか。保管庫があるから、市は週に一回なのね」
納得した。
こんなど田舎だし、市が毎日開かれても売れないのかもしれない。それに、保管庫があるなら余計に一度に買い込んでしまえば、週に一回の市でも頻度が高い方なのだろう。
さらにはほぼ自給自足で暮らしている村なら尚更だ。
「次はいつ市が開かれるの?」
実は昨日が市が開かれる日だったなんて言わないよね?一週間後だなんて言わないよね?
というか、この世界の一週間って何日なんだろう?
「あーマユ、ごめんね?昨日市が開かれたから次に市が開かれるのは6日後になるの」
ばつの悪そうな顔をしてマリアが告げた。
あ、お約束の展開だぁ。
思わずがっくりと項垂れてしまう。まさか、本当に昨日市が開かれていたなんて。私、ついてないなぁ。
「・・・6日後かぁ、それまで食堂通いかぁ」
食堂の床に猫様用のテーブルを用意されたマーニャたちは、今日もダンさんが作ったご飯を美味しそうに食べていた。
まあ、マーニャたちが美味しそうにご飯食べれるならいいかなぁ。でも、資金が足りるだろうか。
「森に行ってみる?前に言ってた薬草を手にいれれば化粧水も作れるし、どうかな?」
「森?」
そう言えばこないだマリアが言ってたっけ。化粧水は手に入りにくいから自分たちで作ることが多いって。
「森は食材の宝庫だよ」
マリアがにっこりと微笑んだ。
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