8 / 584
一章
7
しおりを挟む
「ここが、村で唯一の食事処兼宿屋よ」
そう言って案内されたのは村の中で一際大きい家だった。
木造だけども、柱に太い木が使用されていてとても頑丈そうだ。
でも大きいといっても、3階立ての建物だ。
2階と3階には10畳ほどの部屋が4つあり、客室になっているらしい。
1階は食堂と経営をしている夫妻の部屋があるとのことだ。
「ここのダンおじさんの作る料理は村で一番美味しいよ。
なんたって、料理のスキルレベルが300を超えているそうなの。
一般の人のスキルレベルが50前後だからとてもすごいことなのよ。機会があったら食べてみてね」
ただ、残念なことに食堂は11時から14時、18時から20時までしか開いていないそうだ。
ここで毎朝の食事を食べることはできなそうだ。
朝は自炊するしかないらしい。
自炊苦手なもので、いつもコンビニや近くの喫茶店ですませていたのに。
自炊必須な生活になりそうだ。
「他には食べ物を売っているお店はないの?」
「後はアンおばさんのパン屋さんがあるわ。ここはバウンドケーキが美味しいのよ」
食堂兼宿屋の隣の小さな家がパン屋だった。
こちらは、9時から17時までが営業時間らしい。
パンを作って売るには、製菓スキルが必要になるらしい。
お店を開けるレベルは100~だそうだ。
丁度お店が開店したところだったのでマリアと一緒にお店の中に入ってみた。
「おはようございまーす。アンおばさん。マユさんが昨日からこの村に住み始めたから挨拶にきたの」
「おはよう、マリア。ああ、迷い人のマユさんだね。村長から聞いているよ。私はアン、よろしくね。
ここでパンやケーキを作って売っているんだ。これは、お近づきにあげる。食べてみて」
「ありがとうございます。美味しそう」
アンさんから菓子パン5つと食パン1斤を受け取った。
焼きたてのようでまだホカホカと暖かく柔らかい。
「食べ切れなかったら保管庫にいれておくといいよ。保管庫の中は時間が進まないから入れておけばいつでも出来立てのパンが食べられるよ。」
「なるほど。保管庫って便利ですね」
「便利だけどあの家の保管庫容量が少ないわね。
確か、10種類までしか入れられなかったと思うわ。ただ猫様たちの餌は別枠、いくつでも入るわ。
お金がたまれば村の魔道具やでもっと大きな保管庫を購入できるから覚えておいてね」
10種類か。
確かに少ないかも。
部屋を探索してみたが冷蔵庫なんてなかったので、痛みが早い食材は漏れなく保管庫に入れる必要がありそうだ。
これは早々にもっと容量を入れられる保管庫を購入した方がよさそうだ。
「今より大きな保管庫を購入するにはいくらくらい必要ですか?」
「そうね。在庫状況や容量によって値段はまちまちだけど新品で3万~かな。
中古なら1万~売ってるよ。
ただ、村の魔道具屋さんに在庫がない場合があるから取り寄せになっちゃうかもしれない。
取り寄せになると納品まで10日前後かかっちゃうかも。」
10万ニャールドを支給してもらっているから購入はできそうな金額だ。
ただ、収入源が今のところ安定していないから、しばらくは何が必要なのかを見極めてから購入しないとすぐに支給された金額がなくなりそうだ。
そういえば、大事なこと忘れていた。
お金の使い方を聞かなきゃいけなかった。
そう言って案内されたのは村の中で一際大きい家だった。
木造だけども、柱に太い木が使用されていてとても頑丈そうだ。
でも大きいといっても、3階立ての建物だ。
2階と3階には10畳ほどの部屋が4つあり、客室になっているらしい。
1階は食堂と経営をしている夫妻の部屋があるとのことだ。
「ここのダンおじさんの作る料理は村で一番美味しいよ。
なんたって、料理のスキルレベルが300を超えているそうなの。
一般の人のスキルレベルが50前後だからとてもすごいことなのよ。機会があったら食べてみてね」
ただ、残念なことに食堂は11時から14時、18時から20時までしか開いていないそうだ。
ここで毎朝の食事を食べることはできなそうだ。
朝は自炊するしかないらしい。
自炊苦手なもので、いつもコンビニや近くの喫茶店ですませていたのに。
自炊必須な生活になりそうだ。
「他には食べ物を売っているお店はないの?」
「後はアンおばさんのパン屋さんがあるわ。ここはバウンドケーキが美味しいのよ」
食堂兼宿屋の隣の小さな家がパン屋だった。
こちらは、9時から17時までが営業時間らしい。
パンを作って売るには、製菓スキルが必要になるらしい。
お店を開けるレベルは100~だそうだ。
丁度お店が開店したところだったのでマリアと一緒にお店の中に入ってみた。
「おはようございまーす。アンおばさん。マユさんが昨日からこの村に住み始めたから挨拶にきたの」
「おはよう、マリア。ああ、迷い人のマユさんだね。村長から聞いているよ。私はアン、よろしくね。
ここでパンやケーキを作って売っているんだ。これは、お近づきにあげる。食べてみて」
「ありがとうございます。美味しそう」
アンさんから菓子パン5つと食パン1斤を受け取った。
焼きたてのようでまだホカホカと暖かく柔らかい。
「食べ切れなかったら保管庫にいれておくといいよ。保管庫の中は時間が進まないから入れておけばいつでも出来立てのパンが食べられるよ。」
「なるほど。保管庫って便利ですね」
「便利だけどあの家の保管庫容量が少ないわね。
確か、10種類までしか入れられなかったと思うわ。ただ猫様たちの餌は別枠、いくつでも入るわ。
お金がたまれば村の魔道具やでもっと大きな保管庫を購入できるから覚えておいてね」
10種類か。
確かに少ないかも。
部屋を探索してみたが冷蔵庫なんてなかったので、痛みが早い食材は漏れなく保管庫に入れる必要がありそうだ。
これは早々にもっと容量を入れられる保管庫を購入した方がよさそうだ。
「今より大きな保管庫を購入するにはいくらくらい必要ですか?」
「そうね。在庫状況や容量によって値段はまちまちだけど新品で3万~かな。
中古なら1万~売ってるよ。
ただ、村の魔道具屋さんに在庫がない場合があるから取り寄せになっちゃうかもしれない。
取り寄せになると納品まで10日前後かかっちゃうかも。」
10万ニャールドを支給してもらっているから購入はできそうな金額だ。
ただ、収入源が今のところ安定していないから、しばらくは何が必要なのかを見極めてから購入しないとすぐに支給された金額がなくなりそうだ。
そういえば、大事なこと忘れていた。
お金の使い方を聞かなきゃいけなかった。
41
お気に入りに追加
2,571
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
異世界に転移したからモンスターと気ままに暮らします
ねこねこ大好き
ファンタジー
新庄麗夜は身長160cmと小柄な高校生、クラスメイトから酷いいじめを受けている。
彼は修学旅行の時、突然クラスメイト全員と異世界へ召喚される。
転移した先で王に開口一番、魔軍と戦い人類を救ってくれとお願いされる。
召喚された勇者は強力なギフト(ユニークスキル)を持っているから大丈夫とのこと。
言葉通り、クラスメイトは、獲得経験値×10万や魔力無限、レベル100から、無限製造スキルなど
チートが山盛りだった。
対して麗夜のユニークスキルはただ一つ、「モンスターと会話できる」
それ以外はステータス補正も無い最弱状態。
クラスメイトには笑われ、王からも役立たずと見なされ追放されてしまう。
酷いものだと思いながら日銭を稼ごうとモンスターを狩ろうとする。
「ことばわかる?」
言葉の分かるスキルにより、麗夜とモンスターは一瞬で意気投合する。
「モンスターのほうが優しいし、こうなったらモンスターと一緒に暮らそう! どうせ役立たずだし!」
そうして麗夜はモンスターたちと気ままな生活を送る。
それが成長チートや生産チート、魔力チートなどあらゆるチートも凌駕するチートかも分からずに。
これはモンスターと会話できる。そんなチートを得た少年の気ままな日常である。
------------------------------
第12回ファンタジー小説大賞に応募しております!
よろしければ投票ボタンを押していただけると嬉しいです!
→結果は8位! 最終選考まで進めました!
皆さま応援ありがとうございます!
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
異世界でお金を使わないといけません。
りんご飴
ファンタジー
石川 舞華、22歳。
事故で人生を終えたマイカは、地球リスペクトな神様にスカウトされて、異世界で生きるように言われる。
異世界でのマイカの役割は、50年前の転生者が溜め込んだ埋蔵金を、ジャンジャン使うことだった。
高級品に一切興味はないのに、突然、有り余るお金を手にいれちゃったよ。
ありがた迷惑な『強運』で、何度も命の危険を乗り越えます。
右も左も分からない異世界で、家やら、訳あり奴隷やらをどんどん購入。
旅行に行ったり、貴族に接触しちゃったり、チートなアイテムを手に入れたりしながら、異世界の経済や流通に足を突っ込みます。
のんびりほのぼの、時々危険な異世界事情を、ブルジョア満載な生活で、何とか楽しく生きていきます。
お金は稼ぐより使いたい。人の金ならなおさらジャンジャン使いたい。そんな作者の願望が込められたお話です。
しばらくは 月、木 更新でいこうと思います。
小説家になろうさんにもお邪魔しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる