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しおりを挟む本当のメリーチェは何者かに暗殺されていた。
今目の前にいるメリーチェはメリーチェの替え玉。
あまりの怒涛の展開に頭が混乱してきてしまった。
「混乱しているわね。アリーチェ。でも、もうちょっと私の話を聞いてくれるかしら?」
宥めるよなメリーチェの言葉に私はコクリと頷いた。
「ありがとう。マーガレット侯爵は、アリーチェを養子に出したものの、メリーチェも暗殺されてしまった。だから、アリーチェを家に戻したいと考えているの。」
「えっ!?そんな・・・。お父様とお母様は・・・。」
「そうね。アリーチェのお父様とお母様は反対しているわ。だって、ずっと育ててきた可愛い我が子ですもの。養子だといえ、手放したくはないでしょうね。」
メリーチェが、そっと私の手を握ってくる。
その温もりが暖かくてとても優しいい。
「でもね、アリーチェが今のお父様とお母様の子のままで、さらにマーガレット侯爵もお父様とお母様にしてしまう方法があるのよ。」
「え?どんな方法でしょうか?」
「・・・メリーチェ、本気なんだな。」
メリーチェがにっこりとした笑顔で告げると、アルフレッド様が大きなため息をついた。
どういうことだろうか。
アルフレッド様がため息をつくほど、一般的な方法ではないのだろうか。
それとも、危険を伴うとか?
誰かの迷惑になるとか?
「アリーチェが私と婚約すればいいのよ。」
「へっ!?」
婚約!?メリーチェと!?
メリーチェは女性ではなくて男性だったので問題はないけれども・・・。って問題大ありだからっ!
王太子であるアルフレッド様との婚約を破棄して、男爵令嬢の私と婚約するなんて普通あり得ないから。
というか、アルフレッド様が婚約破棄する側ではなく、される側になるとは思ってもみなかった。
「まあ、メリーチェと婚約すれば問題はないだろうな。ただ、メリーチェには一度死んでもらうことにはなるが・・・。」
「え?メリーチェ様が・・・?」
どうして、メリーチェが死ななければならないのだろうか。
というか、死んでしまったら婚約なんてとてもできないと思うのだけれども。
「メリーチェというのはマーガレット侯爵家の娘ですから。同度とアリーチェと婚約して結婚して子供を産み育てるためには私は男になる必要がありますわ。」
こ、子供!?
話がいきなり飛躍したっ!?
「そうだな。女同士で結婚して子供ができましたってなったら、どこの誰の子だ!と要らぬ騒ぎになるからな。そうする必要がある。なにも、本当に死ぬことはないんだ。ただ、メリーチェは死んだ。養子に出していたアリーチェが見つかったとすればいい。」
アルフレッド様が私にもわかりやすいように説明してくれる。
確かに、同性同士で結婚して子供が出来たらどこの子だ!ってなるよね。
実の子供なのに養子ってのもややこしいし。
ただ、養子に出していた私が見つかったってどういうことだろうか・・・。
私がマーガレット侯爵家の娘になるということ?
あれ?でもそうしたらメリーチェはどうなっちゃうの・・・?
私のお父様とお母様との関係も私がマーガレット侯爵家の養子になってしまったら切れてしまうのではないだろうか。
そんな疑問が私の頭の中によぎった。
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