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しおりを挟む春の日差しがポカポカと気持ちいい午後。
僕はお気に入りの木箱の上で、微睡んでいた。
そこに侵入者がやってきた。
ポテポテと何の戸惑いも警戒もなく、近づいてくる足音。
耳をそばだてながら周囲を伺う。
僕に敵意があるのか、警戒しながら薄っすらと目を開く。
目を開いた先には、見たことがない灰色の猫がこちらに向かっている姿が映った。
ああ。この子が靴下さんの言っていた子かな。
堂々と歩いているなぁ。
警戒しながら、僕は香箱座りをする。
いつでも立てるように。
「はじめましてー。」
にゃんとも甘い声で僕に挨拶してくる灰色の子。
警戒しながらも、返事を返す。
「はじめまして。あそこの家の子?」
「そう昨日、引っ越してきたの。よろしくー。
私、モモって言うのよ。灰色なのにモモなの。おかしいの」
そう言って、モモはケラケラと笑う。
どうやら陽気な性格のようだ。
「僕は、マオ。猫って漢字を中国語で読むとマオってなるんだって。」
「なにそれ、安直だねー」
「僕も、そう思う」
でも、僕の大切なユウがつけてくれた名前だから気に入っている。
ユウには絶対言わないけど。
言ったら付け上がるし。
ユウは僕を拾って名前をつけて面倒を見てくれている人間の女の子。
うざったいくらいに構ってくるから、ちょっとだけうっとおしい。
でも、ご飯はくれるし病気や怪我をすれば心配して看病してくれる僕の大切な下僕。
「そうだ。モモさん。
毎週日曜日の朝、近所の野良猫、家猫含めて集会をやっているんだ。
よかったら参加しない?」
「集会?」
「うん。集会。集まって情報を交換するんだ。
家の外に行っていると危険がいっぱいだから、それを少しでも回避するための情報
共有の場。
僕たちが安全に暮らせるにはどうしたらいいかを話し合っているんだ」
「ふぅーん。行くわ」
「うん、待っているね」
にゃんとか無事に靴下さんからのお願いを叶えられた。
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