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第1話

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 神聖なる女神様の加護する神殿。
 その神殿でうららかな春のある日、純白のドレスを着た私は、かねてからの婚約者であるルードヴィッヒ辺境伯の前に立っていた。
 同じく純白のタキシードに身を包んだルードヴィッヒ辺境伯はとても神秘的な雰囲気がしており、触れることも罪に当たるのではないかと思うほどの清廉さがあった。
 思わず頬を赤く染めて、ルードヴィッヒ辺境伯のことをベール越しに見つめる。
 
 純白の司祭服をまとった司祭様が私たちの間に立った。
 手には女神様から託されたという教本を持っている。

「ルードヴィッヒ・コンフィチュール。あなたは女神様に誓って、生涯ユフィリア・マーマレードのことを慈しみ愛すると誓いますか。」

 司祭様はお決まりの文句でルードヴィッヒ辺境伯に問いかける。

「……ああ。」

 ルードヴィッヒ辺境伯はしばらくの間の後、低い声で短く頷いた。

「ユフィリア・マーマレード。あなたは女神様に誓って、生涯ルードヴィッヒ・コンフィチュールのことを慈しみ愛すると誓いますか。」
 
 司祭様は今度は私に対して問いかける。

「……はい。誓いますわ。」

 私は緊張のあまり上ずりそうな声を隠して厳かに女神様に誓いを立てた。

 私、ユフィリア・マーマレードは結婚式を挙げ、この日ユフィリア・コンフィチュールとなった。
 私はコンフィチュール辺境伯婦人として幸せな毎日を送ることになる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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