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第三章
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大人しく放課後を待つのもいいけれども、アクドーイ侯爵令嬢からのいじめは続いている。
なんとか、早めにアクドーイ侯爵令嬢をどうにかしなければ・・・。
昼休みにアクドーイ侯爵令嬢と話をしてみることにした。まあ、待ち伏せしなきゃいけないんだけどね。
いつも私は、アンナ嬢と一緒に中庭で昼食を食べている。
アクドーイ侯爵令嬢はカフェテラスで食べているようだと聞いたことがある。
今日はカフェテラスで凪とお昼を食べよう。
「凪、お昼はカフェテラスで食べることにするわよ。」
「アンナ嬢と中庭に行かなくていいの?」
いつも凪も春兄も一緒に中庭で食べているから疑問に思ったのか凪が訪ねてくる。
「うん。いいの。私はしばらくアンナ嬢と敵対するんだからね。それにアンナ嬢には春兄がついていてくれるはずだから。」
「そう。わかった。」
「それから、アクドーイ侯爵令嬢と話をする予定だから凪は私と話をあわせてね。いい?アンナ嬢が最近、春兄と仲がいいから私はアンナ嬢が気にくわないって設定だからね。」
「わかってるよ、華。まかせて。」
私は凪に言い聞かせて、凪と一緒に教室に向かう。朝のホームルームの時間を過ぎてしまっているけれど気にしないようにして席につく。
以外とホームルームは空いている席がポツリポツリとある。
この日の午前中はほとんど授業の内容があたまに入らなかった。
だって、今日の昼休みのアクドーイ侯爵令嬢とのやりとりでアンナ嬢のいじめの状況がガラリと変わることになるのだから妥協は許されない。
いつも以上に精神を使って授業に出ていたからか、お昼になる頃には疲れきってしまっていた。
「アルメディア嬢、先に中庭に行っているわね。」
午前中の授業が終わるとアンナ嬢がいつもと同じく声をかけてきた。
「ごめんなさいね。私、今日は凪とカフェテラスでお昼にするわ。」
「えっ?」
「凪、行きましょう。」
「ごめんね。アンナ嬢。僕はアルメディア嬢と一緒にいくね。」
いつもとは違って昼食の誘いを断ると、アンナ嬢は大きく目を見開いて驚いていた。
ごめんね。と心の中で呟いてからそれ以上話をすることもなく、教室をでる。
取り残されたアンナ嬢の目は怒りを帯びていたのだが、私は気づかなかった。
カフェテラスにつくともうすでにほとんどの席が埋まっていた。
それもそのはず、午前の授業を自主的に早く切り上げて場所取りをしている生徒がいるからいい席はお昼休みになるころにはすでに埋まってしまっているのだ。
アクドーイ侯爵令嬢も、自分の取り巻きに頼んで毎回持ち回りで場所とりをしているようだ。
「予想どうりね。いたわね。」
アクドーイ侯爵令嬢は窓際の席に取り巻きたちと一緒に座っていた。
私と凪は、本日のランチプレートを手に持ってアクドーイ侯爵令嬢の元に向かった。
なんとか、早めにアクドーイ侯爵令嬢をどうにかしなければ・・・。
昼休みにアクドーイ侯爵令嬢と話をしてみることにした。まあ、待ち伏せしなきゃいけないんだけどね。
いつも私は、アンナ嬢と一緒に中庭で昼食を食べている。
アクドーイ侯爵令嬢はカフェテラスで食べているようだと聞いたことがある。
今日はカフェテラスで凪とお昼を食べよう。
「凪、お昼はカフェテラスで食べることにするわよ。」
「アンナ嬢と中庭に行かなくていいの?」
いつも凪も春兄も一緒に中庭で食べているから疑問に思ったのか凪が訪ねてくる。
「うん。いいの。私はしばらくアンナ嬢と敵対するんだからね。それにアンナ嬢には春兄がついていてくれるはずだから。」
「そう。わかった。」
「それから、アクドーイ侯爵令嬢と話をする予定だから凪は私と話をあわせてね。いい?アンナ嬢が最近、春兄と仲がいいから私はアンナ嬢が気にくわないって設定だからね。」
「わかってるよ、華。まかせて。」
私は凪に言い聞かせて、凪と一緒に教室に向かう。朝のホームルームの時間を過ぎてしまっているけれど気にしないようにして席につく。
以外とホームルームは空いている席がポツリポツリとある。
この日の午前中はほとんど授業の内容があたまに入らなかった。
だって、今日の昼休みのアクドーイ侯爵令嬢とのやりとりでアンナ嬢のいじめの状況がガラリと変わることになるのだから妥協は許されない。
いつも以上に精神を使って授業に出ていたからか、お昼になる頃には疲れきってしまっていた。
「アルメディア嬢、先に中庭に行っているわね。」
午前中の授業が終わるとアンナ嬢がいつもと同じく声をかけてきた。
「ごめんなさいね。私、今日は凪とカフェテラスでお昼にするわ。」
「えっ?」
「凪、行きましょう。」
「ごめんね。アンナ嬢。僕はアルメディア嬢と一緒にいくね。」
いつもとは違って昼食の誘いを断ると、アンナ嬢は大きく目を見開いて驚いていた。
ごめんね。と心の中で呟いてからそれ以上話をすることもなく、教室をでる。
取り残されたアンナ嬢の目は怒りを帯びていたのだが、私は気づかなかった。
カフェテラスにつくともうすでにほとんどの席が埋まっていた。
それもそのはず、午前の授業を自主的に早く切り上げて場所取りをしている生徒がいるからいい席はお昼休みになるころにはすでに埋まってしまっているのだ。
アクドーイ侯爵令嬢も、自分の取り巻きに頼んで毎回持ち回りで場所とりをしているようだ。
「予想どうりね。いたわね。」
アクドーイ侯爵令嬢は窓際の席に取り巻きたちと一緒に座っていた。
私と凪は、本日のランチプレートを手に持ってアクドーイ侯爵令嬢の元に向かった。
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